2010年10月28日
先の台風13号に続いて、14号が接近中です。
13号の影響で、元々多くの本船に遅れが生じておりますが、
台風接近時には、各ポートにおきましては、閉鎖される可能性が高く、
さらに遅れが生じる可能性があります。
特に今週末入港予定の本船動向には注意が必要です。
ご留意ください。
2010年10月27日
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SURRENDERED B/Lの落とし穴 その壱
オリジナルB/Lの場合と比べて、サレンダーB/Lは、手間と時間とリスクが
まったく違い、メールやFAXで済んじゃう訳ですから、とっても、便利で簡単です。
ですので、現在では、あたりまえのように、たくさんこの形態で行われています。
しかしながら、たくさんの事例の中で、
落とし穴がいくつか潜んでいるのを見ました。
B/Lにも、いろいろあるのですが、よくあるのが、
実際に船を運航している船会社さんのB/L(キャリアB/L)と
フォワーダーさんが船のスペースを借りて発行しているフォワーダーB/Lがあります。
航空券でも、JALさんやANAさんが販売している物もあれば、
旅行代理店さんが販売している物もあると言えば、
なんとなくイメージできますでしょか?
船会社さんのキャリアB/Lの場合は、そのB/Lのみですが、
フォワーダーB/Lの場合は、その裏に必ず船会社さんのB/Lが隠れてます。
そうです。隠れているので、見えないのです。
よく引っかかるのが、フォワーダーB/Lはサレンダーになっているし、
ARRIVAL NOTICEもちゃんとサレンダーになっている。
でも、D/Oが発行されないケースがあります。
こんな時は実は、隠れているキャリアB/Lがサレンダーになっていないケースが
多々あります。
こういう流れになっているのです。
1.積み地のフォワーダーさんにてサレンダー手続き → 到着地の代理店にサレンダーの案内
↓
2.フォワーダーさんが、実際に積載して本船を運航している船会社さんへ
サレンダー手続き
↓
3.積み地の船会社さんから到着地の運航船会社さんの代理店へサレンダーの案内
つまり、1でSHIPPERさんがやるべきことをきちんとして
BOOKINGをしたフォワーダーさんへの手続きがすべて整っていたとしても、
その後の手順にて、フォワダーさんと船会社さんとの間で不備があると、
到着した貨物の引き取りができないことになります。
つい最近もありました。中国から日本向けでした。
書類上はすべて、サレンダーになっているのもかかわらず、D/Oの発行が
できませんでした。
フォワーダーさんと船会社さんとの間で、サレンダーの連絡が取れておらず、
船会社さんのヤードからは荷物が引き取れない状況でした。
ドレーは並んでいるし、翌朝納品なので、なんとしても取りたいのですが、
フォワーダーさんの代理店さんもどうしようもない状態でしたので、
まずは、どこで止まっているのかを調べてみました。
どうやら
積み地のフォワダーさん→積み地の船会社さんへの連絡
積み地の船会社さん→日本への連絡
このどちらからが、漏れている所まで分かりました。
どちらにしても、積み地側の問題です。
で、ここでさらに大問題です。
国慶節で中国はお休みです。
ありがたいことに、今の時代は皆さん携帯電話をお持ちです。
お休みのところ、申し訳ないですが、追いかけ回して、ほんと夕方ギリギリに
サレンダーの連絡を頂き、貨物を引き取りました。
実はこう言った、書類の表面上問題がないのに、裏の部分で問題が生じていることが
結構頻繁にあります。
ここの部分はお客様では、分からないところなので、難儀です。
これは貨物が引き取れないというケースですが、
さらに怖いのは決済が絡む話です。
長くなりますので、こちらは次回に。
2010年10月12日
日中間の輸出入のコンテナ数の不均衡により、
10/21日より上海発⇒日本向けの航路に関し、
CIC(CONTAINER IMBALANCE CHARGE)を徴収することとなりました。
徴収金額:
*コンテナー
RMB 300/20F
RMB 600/40F
上記、基本的に上海払いとなります。
2010年10月07日
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SURRENDERED B/L
最近、コピーされたB/Lばかりで、オリジナルB/Lをご覧になったことがない方も
多いのでは、ないでしょうか?
事実、私自身が見る件数がだいぶんと減少してます。
なぜ、見る機会が減っているかというと、オリジナルB/Lの代わりに、
コピーを代用しても、問題なく国際間の貨物の輸送・引き取りができるからです。
このような形式の場合、
『SURRENDER (サレンダー)』、『TELEX RELEASE』 、『元地回収』などの記載が
B/LやArrival noticeに必ずされています。
どれも同じ意味で、オリジナルB/Lは発行元である船会社さんで、
すでに回収されて、引き渡し済みであるこということです。
サレンダーB/Lの利便性を理解する前に、オリジナルB/Lの場合の流れを理解する
必要がでてきます。
なぜなら、オリジナルB/Lの場合より便利にしたいがために『サレンダー扱い』に
するからです。
オリジナルB/Lは、通常、本船出帆日に船会社さんより発行されます。
手順として
1.船会社さんより、積み港でかかる費用や本船運賃を支払うことにより、
オリジナルB/Lが発行されます。
2.輸出者さんがオリジナルB/Lの裏面にサイン(裏書き)して、
輸入者さん宛てに郵送します。
通常3部発行されますが、郵送中紛失のリスクに備えるため、
最低1部は手元に残します。
3.受け取った輸入者さんは、到着したオリジナルB/Lの裏面にサインして、
到着地の船会社代理店さんへ必要な費用とともに持参します。
事前に、船会社の代理店さんから ARRIVAL NOTICE/DEBIT NOTICE という形で
到着案内兼請求書の案内があります。
4.到着地の船会社代理店さんでは、オリジナルB/Lと必要な費用と交換で
『DELIVERY ORDER』という、貨物の荷渡し指図書を発行してくれます。
5.発行された『DELIVERY ORDER』を貨物が到着している倉庫やターミナルに持参して、
貨物を引き取ります。
以上が、簡単な流れで、特に難しいことではありませんが、
5.の『DELIVERY ORDER』との交換で貨物を引き取ることができるのですが、
逆に言うと、『DELIVERY ORDER』がなければ、引き取ることができません。
つまり、オリジナルB/Lが到着しなければ、『DELIVERY ORDER』を発行してもらうことが
できないので、貨物を引き取ることができないのです。
そもそも、B/Lって『 BILL OF LADING:船荷証券』、そう、証券、有価証券。
『B/Lを持っている人が、船に積んだ貨物の権利者 』なんです。
ですので、L/C決済の場合は、銀行にて換金できる訳ですし、オリジナルB/Lが必ず
必要となります。
なんとなく、オリジナルB/Lって気を付けないといけないと感じてきたと思います。
とにかく、原本がなければ、どうしようもない訳です。
例えば、日本と韓国や中国ですと2日程度で船は到着できます。
貨物は到着してても、オリジナルB/Lが未着ですと、引き取りはできません。
紛失のリスクもあります。
で、特に決済で使われる訳でもないし、信用ある取引相手である場合や親子関係の
会社さん同士なら、わざわざリスクのある有価証券を、行き来さす必要は無い訳です。
そこで、サレンダーです。
サレンダー扱いの場合は、下記の手順になります。
1.積み港でかかる費用や本船運賃を支払うことにより、オリジナルB/Lが発行されますが、
発行場所のその場で、裏書きして、そのまま返却します。
それで、オリジナルB/Lに『SURRENDERED B/L』、『TELEX RELEASE』などと記載したコピー
をもらいます。
オリジナルB/Lは発行元で回収してもらう訳です。
だから、元地回収なんて言います。
2.輸出者さんが、上記のB/Lコピーを輸入者さん宛てにメールやFAXで送ります。
3.輸入者さんは、受け取ったB/Lコピーと共に、
到着地の船会社代理店さんへ必要な費用とともに持参します。
船会社の代理店さんからDEBIT NOTICE/ARRIVAL NOTICEという形で
到着案内兼請求書の案内があります。
4.到着地の船会社代理店さんでは、B/Lコピーと必要な費用と交換で
『DELIVERY ORDER』という、貨物の荷渡し指図書を発行してくれます。
5.発行された『DELIVERY ORDER』を貨物が到着している倉庫やターミナルに持参して、
貨物を引き取ります。
オリジナルB/Lの場合と比べて、手順は同じですが、手間と時間とリスクが
まったく違うことが分かります。
メールやFAXで済んじゃう訳ですから。
とっても、便利で簡単です。
ですので、現在では、あたりまえのように、たくさんこの形態で行われています。
しかしながら、たくさんの事例の中で、
落とし穴がいくつか潜んでいるのを見ました。
本当にあった、怖ーーーい話です。(笑)
続きをお楽しみに。早めに書きます。m(_ _)m