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2012年06月05日

131号 役立つ国際ロジスティクスマガジン発行

◇◆国際ロジスティクスマガジン◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                       
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<vol.131>2012/06/05━━
編集・発行 株式会社 共和商会  志賀 盛孝
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目次
1. 海外に活路を見出す5つの視点 その壱
2.コーヒー・ブレイク
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1.海外に活路を見出す5つの視点 その壱

日本国内の経済状況から察すると、国内市場だけを見据えた経営だけでは
不安を感じる企業も多いのではないのでしょうか?

GDPは、中国に抜かれ2位から3位になり、デフレ、円高、空洞化も続いています。
景況感からすれば、『晴れ』とは言い難い状況が続きます。
こんな状況でも3位は立派だと思いますが。。。。
さらには、これからの日本は、人口が減少することも明確になっています。

こうした中、海外に活路を見出そうとするのは、自然な流れかと思います。

国内以外となると、必然的に海外に目を向けることになるのですが、
僕が思う、主に5つの視点をお伝えしたいと思います。

よくあるのが、海外への工場進出。
積極的なイメージがありますが、これには、僕的には、
少しネガティブなポイントがあります。

海外移転=日本での雇用喪失=空洞化

という図式があるからです。

ですので、理想としては、従来ある日本の自社工場も、海外進出により、
相乗効果で発展できることが、望ましいです。
あくまでも『従来あるものが、より生きる方向での進出を目指す』です。

そんな思いから、5つのパターンを見ていきたいと思います。
1.販路を海外へ
2.仕入れを直接海外から
3.海外の会社への委託生産(正式には逆委託加工と言います)
4.自社の海外進出
5.三国間貿易

以上、5つについて、各々、見てみます。

前ふりが長くなりましたが、まずは、
 
1.販路を海外へ

そもそも、貿易というものをシンプルに考えてみると
近江商人の『のこぎり商法』と似ています。
たくさん物があるところから、物が無いところに販売するというものです。
それを、ジグザグに移動した土地土地で販売・購入を繰り返し移動しながら、
商売を行っていきます。

リカードの比較優位の原則では、自国で得意分野の商品に絞って生産して、
不得手な商品は海外からの調達に頼ることの方がトータルで見た場合、
両方の生産を続けるよりも有利であると説いています。

これまで日本国内メインに販売していた商品を
海外へ販路を広げて、売上げUPを目指しましょう。
形としては、日本側の利益につながり、海外の販売先にも良い商品を提供し、
喜んで頂ければ、非常によい形と言えます。

ひと昔前の、日本の経済を支えた仕組みですね。
ぜひ、自社の製品が海外市場に受け入れられる可能性の有無を検討して
みてください。

海外市場での、所得水準、該当商品の普及率、
海外各国のインフラ、グリーンインダストリー、医療
海外各国の産業集積および産業政策
ハイテクとローテクのニーズ
新品と中古品の人気度 などなど
調べる価値は十分アリです。

例えば、電子レンジは日本では、各家庭に普及しています。
とても便利な電機製品です。冷たいものでも、簡単にチンして
ホカホカです。
それでは、電子レンジ。世界中どこでもニーズがあるのでしょうか?
いえいえ。それが、そうではないんです。
普及するには、きちんと条件があるんです。

1.当たり前ですが、電気がきちんと通っていることです。
電気って、日本では当たり前ですよね。最近では、電力不足で
節電や計画停電の話題が出ておりますが、世界に目を向けると
停電は結構当たり前、それも計画的に無計画に行われるところが
多いです。(笑)
電気の来ていない地域も世界にはたくさんあります。

2.電気が来ている国でなら、普及が見込めるのでしょうか?
いえいえ。無理です。冷蔵庫の普及が先です。
冷蔵庫が普及しなければ、意味がありません。
電子レンジは保存していた食品たちを温める物ですので、
保存できる機械、すなわち冷蔵庫の普及が必須なのです。
しかも、冷凍庫付きでないとね。

3.冷蔵庫の普及で、やっとスタートラインです。
じつは、電子レンジの普及は、スーパーマーケットの普及と共に
歩みます。
肝心の食材がなければ、意味がありません。
逆に、スーパーマーケットも冷蔵庫の普及がなければ、成り立ちません。
冷蔵庫の無い地域では、露天や市場で購入して、その日のうちに調理して
消費です。まだまだ、氷で保存している地域って多いんです。
家に持って帰っても冷凍冷蔵庫がなければ、冷蔵、冷凍商品を数多く販売している
スーパーマーケットは意味をなしません。
冷蔵、冷凍の商品が販売されていなければ、電子レンジの出番もない訳です。

便利な物であっても、世界中通用するというものではありません。
電子レンジにも売れる地域と売れない地域があります。
一方で、日本では少なった氷屋さんも、地域によっては大繁盛です。

日本だけを見ていると、自社製品の価値を見失います。
もちろん価格の問題もありますが、世界における自社製品の価値を
見つめ直して頂きたいです。

最近、見受けられるのが、日本の特殊な工芸品であったり、食品や化粧品に
人気があります。
食品や化粧品は輸出相手国での規制が厳しい商品ではありますが。。。。
どの商品も中国の富裕層向けに販売されており、流通も店舗販売はもちろんのこと
ネット販売も大きな力になっております。

その他、日本製の中古の機械や自動車は、相当な人気です。
こちらも、輸出先の規制が厳しい場合が多く、簡単ではないケースが多いですが、
話としては、良く聞く案件です。

お伝えしたいお話しは、中古の機械製品が売れるということでなく、
日本で評価されなくなった商品でも、異なるマーケットには、
まだまだニーズがあるということです。
我々が自国だけを見て商品価値を判断するのではなく、広く海外の国々に目を向け、
各々の国の事情を良く知ることにより、まだまだ可能性があるのです。

発展途上国では、最新の電気式ミシンよりも、修理もしやすい機械式の旧式のミシンに
ニーズがあります。
日本では飽和状態にある自動車の洗車機なども、これから海外ではニーズがでてくる
ことでしょう。

大量生産品の場合には、国内販売だけでなく、海外へも販売先を広げることにより、
生産量を増やして生産単価を引き下げる効果が見込めます。
実際、海外販売分は、利益をある程度度外視しつつ、その分生産量を大幅に
増やすことにより生産単価を引き下げ、
国内販売に対しての利益確保に貢献している例もあります。

もちろん、独自技術を高めて、世界中を見渡しても日本にしかないオンリーワンを
実現することも、素晴らしことです。
合わせて、日本ではある程度決められた商流がありますが、
場合によっては、商流を見直す勇気も必要となるかもしれません。
世界にはもっと評価してくれる所があり、
そのことにより、世界基準の情報がフィードバックされてくることでしょう。

いずれにしましても、現状がより発展する為の視点が必要です。
切羽詰まった後ろ向きでなく、自社も日本も海外の取引先も相手国にもとっても
プラスになるように、海外取引を展開したいものです。

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2.コーヒー・ブレイク

先々週は、1週間、青島、上海でした。

今回、新幹線の乗ろうと思ったらパスポートが無いと乗れないんだって。。。
知らなかった。。。。気を付けてください。

さて、せっかくの中国ですので、
さぞ美味しい中華料理を堪能したと思われると思います。
でも、現実は。。
青島では、韓国料理。上海では、ひたすら、日本料理。
さすがに帰国する日の昼ごはんは、うちの相方に
『お願いやから、1食くらい中華が食べたい!』と懇願。
なんとか、最終食で、飲茶にありついた。
で、日本に戻ってからは、どういう訳か、中華の連荘です。(^^)

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