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輸入に関することの記事

2010年10月08日

輸入の落とし穴(玩具を対象とする食品衛生法について)Part.1 

西田です。二回目の登場となります。

さて、昨今の円高を背景に新たに輸入を考える事があるのではないでしょうか?

その際に気を付けて頂きたいのが、主に関税法67条及び70条に
『輸出入する貨物が関税関係法令以外の法令の規制貨物に該当する場合は、輸出入の申告に係わる税関の審査の際にその他の法令の許可、承認を受けている旨を税関に証明し、確認を受けなければ輸出入の通関が許可されない』と規定されている点です。

要するに、この他法令(例えば食品衛生法(厚生労働省)、植物検疫法(農林水産省)など)の対象となる貨物は、各省庁に手続きをし、承認を得なければ、通関(財務省)ができない。
ということです。他法令によって管轄の省庁は違いますので、それぞれ個別に手続きをしていかなければなりません。

意外な物がこのような他法令の対象となっている事があり、納期が遅れてしまったり、倉庫の保管料が必要になったりして、思わぬ費用が発生してしまうことがありますので注意が必要なのです。

今回は玩具の輸入手続きの際に、気を付けなければならない、食品衛生法について、説明したいと思います。

玩具が食品衛生法の対象になる事に疑問に感じられるかもしれませんが、何でも口に入れてしまう赤ちゃんが使うガラガラなどに万一、鉛などの有害な物質が含まれていたら、大変です。
そういった危険性をなくすために、主に小さな子供が使う玩具、具体的には、ぬいぐるみ、ママゴト用品、知育玩具などが食品衛生法の対象となるのです。

食品衛生法の対象になるということは、食品検疫所(厚生労働省)に届出をし、審査、検査を受け、受理されなければなりません。

それでは、ぬいぐるみを輸入する場合、どのようにすればよいのでしょうか?

まず、具体的に輸入の手続きに入る前に、売主にぬいぐるみの形状、材質などの詳細をより綿密に確認しなければなりません。

例えば、ぬいぐるみの主な材質について 

生地:ポリエステル 中身:綿 

通関上はそれだけで十分かもしれませんが

ぬいぐるみにプラスチック製の鼻や髭がある場合、食品衛生法上はその部分も別途検査を受けなければなりません。ですので詳細な材質(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等)が必要になるのです。

その際、商品に使用されている材質や塗料の情報は売主に提示してもらわなければならないはずですが、
売主が商社であったりすると、売主自身もあまり商品の詳細を把握していないことがあります。
ですので、事前に売主が十分な情報を持っているのかを確認することも重要です。

また、ポリ塩化ビニル等、合成樹脂の検査費用は高額になる場合があり、事前に必要な検査についても調べられるとよいでしょう。

そうした事が確認され、貨物が到着しましたら、管轄の食品検疫所に届出書を提出し、必要な検査を受けます。
検査に合格し書類に不備がなければ、食品等輸入届出済証が発行され、通関へと手続きを進めて参ります。

事前に商品の詳細を十分に確認しなければならないということは、玩具だけでなく、
食料品や食器などの食品衛生法に関わるもの全般に当てはまります。
特に材料、材質、食品であれば製造される工程などは正確な記載が問われますので、十分な確認が必要です。

最終的には一度最寄りの食品検疫所に出向き、相談するのもよいかと思います。
相談をすることで、事前に確認すべき事項を知ることができますし、何より安心して輸入の手続きに入る事ができるからです。

さて、今回は主に食品衛生法のついて届出書を提出するまでの留意点についてお伝えさせて頂きましたが、次回はより具体的に 

・提出書類がどのようなものであるのか。
・検査時の留意点
など

をお伝えしたいと思います。お楽しみに!!!

 

「プロのアドバイス」(輸出入規制に注意!)も御覧ください>> 


 

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