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通関に関することの記事

2012年11月16日

HSコード雑感

こんにちは、共和商会の林です。

今回は、このスタッフブログで、何度も取り上げられております
HSコードについて、私の思うところなど、書いてみたいと思います。

まず、復習としまして、HSコードとは、
「国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一する目的のために作られたコード番号」
であり、おおよそ世界中にある全ての商品は、
世界共通で、いずれかのコードに分類されることになっております。
<参照:JETROサイトより>

このHSコードが分かれば、商品を輸出入する際の規制などが確認でき、
また、輸入の場合は、関税率が確定することとなりますので、
輸出入しようとする商品が、どのコードに分類されるかは、
たいへん重要なこととなります。
そして、この分類を、間違いなく行うことは、
私ども通関業者の最も大事な業務の一つなのです。

実は、輸出入通関は、通関業者に頼まなくても、
輸出入者自身で、行うことが可能です。
ただ、HSコードを調べるのは、なかなか難しく、
専門家に任せてしまう方が合理的であるとの判断から、
大半の方々が、通関は我々業者に委託しているのが現状と思われます。
(念のため、通関は、HSコード分類だけではありませんので、
 その点、ご留意くださいませ。)

では、HSコード分類作業を、少しだけ、具体的に見ていきましょう。

HSコードを調べる際は、
輸出であれば「輸出統計品目表」
輸入であれば「実行関税率表」
という、電話帳より重くて大きな本を見ることが多いと思います。
※ご参考までに、上記本は、書店でも販売されており、
 普通に購入することができます。
 また、これらは、税関の下記ページより見ることも可能です。

通関担当者であれば、HSコードは、だいたい頭に入っているので、
該当する商品をお客様より聞き、分類に必要と思われる項目を確認し、
当りを付けて、直接上記表などを調べていきます。

が、例えば、いつまで経ってもHSコードを覚えられない?!私は、
先に、本の巻末にある索引を見て、お目当ての商品を探すことになります。

で、この索引が、ちょっと使いづらい・・・

まず、なぜか、きっちり50音順になっていない!?
例えば「ア」の項目なら、
「安全カミソリ」が「編機」より上に記載されている、など・・・

次に、ズバリ商品名の記載が見つかれば良いのですが、
カタカナ・ひらがな・漢字を厳格?に分けているため、
例えば、ある商品を「漢字」と思い込んで探していると、
すぐに、それが見つけられない。

また、それ以前に、
「プリンター」ではなく「印刷機」
「コンプレッサー」ではなく「圧縮機」
「じゃがいも」ではなく「ばれいしょ」
など、少し言い換えしないと、見つけられないものがあったりします。

さらに、ズバリ商品名が見つかったとしても、
たまに、落とし穴?があります。
例えば、「消しゴム」などは、索引を利用すれば、
すぐにHSコードが見つかります。
しかし、そのコードは、本物のゴムで出来た「消しゴム」のものであって、
現在、世間で一般に使用されているプラスチック製の「消しゴム」は、
全く別のコードに分類されるのです。

そして、頭を悩ませるのが、
そもそも索引に、商品名が記載されていないもの・・・
というか、実際には、そういう商品は、かなりの数あります。

そういう場合、今度は、上記本の巻頭にある目次から探すことになるのですが、
これまた、索引より、はるかに分かりにくい・・・

この目次は、商品の用途や材質を基準として、おおまかに分類されており、
それを見ながら、該当する商品を、各HSコードの定義に照らし合わせ、
特定のHSコードに分類していくことになります。

例えば、「ベッド」は索引に記載が無いので、その材質を確認した上で、
「金属製家具」や
「寝室において使用する種類の木製家具」
といったように分類していきます。

と、こう書くと簡単なようですが、この目次、相当慣れないと、
なかなか目当ての商品に辿りつけません。
ご興味のある方は、ためしに、上記税関のページを見てみて下さい(笑)

ところで、先に、HSコードは、
「おおよそ世界中にある全ての商品が」「いずれかのコードに分類される」
と書きました。
「え?どうやって?」と思われた方もおられるかと思います。

そのからくりは、上記のような手順を踏んでも、
どうしても分類できない商品は、
「輸出統計品目表」「実行関税率表」中の
品名欄の所々に記載のある「その他のもの」に、
うまく押し込めて?分類していくことになります。

例えば、先程、例に挙げました「プラスチック製消しゴム」は、
「その他のプラスチック製品」として分類されることになるのです。

このほかにも、HSコードの分類で注意しなければならないことは、
本当にたくさんあり、
このブログでも、各スタッフが、いろいろな視点から、
HSコードについて書いております。
また、お手すきの際に、御覧いただけましたら幸いです。

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