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国際物流雑学の記事

2011年02月25日

海外への返品における注意点

こんにちは。共和商会の林です。

待ちに待った輸入製品が手元に届き、ふたを開け、中身を確認してみると、
どうも思っていたものと違う?!

不良品が混じっていたり、色違い・規格違いのものが入っていたり・・・
残念ながら、海外との取引では、こういったことも、ちょくちょく発生します。

これが、日本国内での取引であれば、
すぐに仕入先へクレームを入れ、速やかに正しい製品を送り直してもらい、
不良品などは、仕入先へ「着払い」で返品する、
といった流れが、ごく普通に行われているかと思います。

ところが、仕入先が海外の会社となりますと、そう簡単にはいかないのです。

まず、相手に不良品であることを認めてもらうのに一苦労。

次に、不良品だと認識してもらった上で、
それらを送り返してください、という話しになったとします。

ここで、海外の仕入先が、全費用を負担して、
日本まで、不良品を引取りに来てくれれば、何も問題はありません。

ただ、実際には、日本にいったん輸入したものを、
海外に送り返すということは、輸出となり、
少なくとも、日本で輸出申告をして、船に積むまでは、
日本側で費用を支払い、手続きを進めることとなり、
その分の負担は発生することになるでしょう。
(仕入先との交渉次第で、その費用を、
 後日、別途先方に負担してもらうのは、あり得ます。)

海外への返品は、日本国内での返品とは異なり、
それなりの手間と時間がかかり、その分費用もかかるので、
どちらが、どこまで料金を負担するのか、明確にした上で、
送り返されることをお勧めします。

くれぐれも、仕入先との話合いが煮詰まっていない状態で、
先に製品を相手国へ送り返してしまうことは、しないようにして下さい。

仕入先に、受取を拒否されたり、
あるいは、ものによっては、相手国において、
輸出は簡単にできても、輸入が規制により非常に難しい場合があり、
海外の港での保管料や検査費用など想定外の費用が発生し、
その請求が日本側に回ってくることもあります。

最後に、上記ステップを通して、
返品にかかる双方の手間と費用が明確になった時点で、
その際の取引金額、および、
その後の良品の再発送にかかる手間と費用を再確認してみますと、
お互いデメリットの方が多い、ということが起こり得ます。

ただ、ここまで検討を進めてくれば、更に話合いを進め、
不良品を返品せずに、別の方法で対応できます。

例えば、日本側輸入者が、
不良品を格安で見切り販売したり、あるいは廃棄処分とし、
それにより発生した損失を、
次回輸入時に、良品を無償で送ってもらったり、
あるいは、値引き処理で補填してもらう、など・・・

今後のために、お互いで知恵を出し合うのがよいかと思われます。


それでは、いつもの謎かけを・・・

海外への返品を検討中の人とかけまして、
食事前に箸が1本しかないのに気付いた人、ととく

その心は・・・

にほん(日本・2本)なら、問題ないんですけどね!?

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