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輸出に関することの記事

2010年09月16日

輸出貨物のコンテナ扱いとは?

初めまして、今回スタッフブログを担当します池田と申します。
よろしくお願い致します。

今回のテーマは「輸出貨物のコンテナ扱い」についてです。

 先日、いつも小口貨物で輸出をされているお客様から、今回は、自社の工場で、貨物をコンテナに詰めて輸出したいとの依頼を受けました。
そこで、以前コンテナ詰めで輸出をした実績があるか確認させていただいたところ、実績はないとの返答でしたので、初めてではそういったことは出来ないのですと回答しましたら、とても疑問に思われていました。
この一件で、他の輸出者の皆さんもそう感じられるのではないかと思い、このテーマにさせていただきます。

 輸出貨物をコンテナ詰めするためには、原則として、まずその貨物を保税地域という税関に許可を受けた指定された場所に入れ、そこで貨物を保管してから、輸出申告書類を税関に提出し、輸出許可を受けなければなりません。
 そして、通常は、輸出の許可を得てから、そのまま保税地域で、貨物の積み替えや移し替え、さらにコンテナ詰めをすることとなります。

これでは、限られた場所でしか作業が出来ず、その分、余計に時間がかかったり、また料金も高くなってしまいます。

そこで、輸出貨物のコンテナ扱いという制度が設けられています。
これは、事前に税関長に「コンテナ扱い申出適用通知書」を受けることにより、自社の工場等で貨物をコンテナ詰めしてから、保税地域に入れ、コンテナに詰めた状態で輸出申告し、許可を受けられる制度のことです。

このコンテナ扱いを活用することによって、先に書きました通常の輸出の流れに比べ、作業にかかる時間を短縮でき、料金も安くすることができるというメリットがあります。

 ただし、コンテナ扱いを受けるためには、下記のような一定の条件を充たさなければなりません。

1.輸出者が過去3年間に関税関係に関する法令に違反して処罰されていないこと。

2.輸出者が過去2年間に税関の審査や検査によって関税関係の法令に従っていないことが発見された場合、または関税関係の法令に従っていない恐れがあると税関に指摘されて申告を撤回したことがないこと。

3.輸出者が過去1年以内に保税地域でコンテナ詰めをして輸出をしたことがあること

4.複数の輸出者が同じコンテナに詰め込まれるもの(混載貨物)でないこと。

この中で、特に注目していただきたいのは3の条件で、これは以前の条件より厳しくなってしまいました。

 以前のコンテナ扱いが認められる条件は「初めて貨物を輸出する場合でないこと」とされていて、過去1年以内に小口貨物(混載貨物)でも輸出の実績があればコンテナ扱いが認められていたのす。

これが厳しくなってしまった理由は、コンテナ扱いの制度を悪用して、
(例:輸出申告書類に記載されていない物品を不正に輸出しようとする行為、いわゆる密輸)
税関検査等で発見されるケースが増えてしまったことが、原因ではないかと思われます。

こういった違反をしてしまいますと、税関からの信用をなくしてしまい、コンテナ扱いができなくなるだけでなく、通常の輸出申告でも、審査・検査等で厳しくチェックが入り、迅速な通関をすることが困難になってしまいます。

 こういった行為は、不正をした輸出者様が困るだけではなく、大半の優良な輸出者の皆様にも大変迷惑がかかってしまうことになるのです。

せっかくのこういった便利な制度は、ルールを守って活用していただくことが、我々通関業者からの切実なお願いです。お互いに協力できていければ幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

 

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