こんにちは。
通関士の橋本 挙裕(たつひろ)です。
輸入関税について、WTO加盟国の下では、
加盟している、どこの国からの輸入でも、同じ税率が適用される協定税率あります。
それに対し、関税率を低くするための、
経済連帯協定を締結している国に対してのEPA特恵税率、
又は発展途上国に対しての一般特恵税率では、
その製品が、どこの国の製品かを決定するルールである
「原産地規則」を満たさなけれなりません。
その中身は、「原産地基準」「積送基準」「手続き規定」の
3つの要素で構成されています。
その中で「原産地基準」は、その基準を満たしていることを証明している書類、すなわち
輸入申告の際に、特恵税率を適用するため、税関へ提出する原産地証明書の元となるので
「原産地規則」の中で、核心となるものです。
「原産地基準」を満たした原産品とは、どういったものかというと
まず、原材料の調達から生産までを一つの国で完結させる「完全生産品」というもの。
この場合は、何の疑問も無く、どこの国が原産地かを確定できます。
一方、原材料を他の国から調達し、輸出国で生産された場合で、
多くの品目で基準とされているものが、関税率表の品目番号の変化というもので
生産されたものの品目番号が、原材料の時の品目番号から変わる加工を行った国が
原産地となります。
例でいいますと、ブラジル産のコーヒー豆 (品目番号0901)を、
タイでインスタントコーヒー(2101)に加工した場合は、
品目番号が変わっているので、タイが原産地となります。
他にも原産地の認定について、決められた加工工程でないとだめであるとか、
価格面から見たときに原材料費、加工費等の割合が、他の国の原材料費等を除いて
商品全体の40パーセント以上である等、品目ごとに満たさなけれならない基準があります。
また、EPA税率については、協定を締結している各国ごとにもルールが違ったりと
「原産地基準」については、まだまだ、奥が深いところがありますので、
もう少し勉強し、今後、詳しくお伝えしていけたらと思います。
次に「積送基準」とは、輸出国から輸入国へ輸送中、他の国へ寄り道せず
まっすぐ輸送されることが原則というものです。他の国を経由する場合は、
積み替えや保管等の許容される範囲の作業であれば、影響はありませんが、
それ以外の作業をした場合は、原産品の資格を失ってしまいます。
次に「手続き規定」とは、輸入申告の際、税関へ原産地証明書と他の国を経由した場合は、
税関が必要とする関係書類とを合わせて提出し、
特恵税率の適用を認めてもらう申告手続きの行為をいいます。
輸入申告の際は、ついつい原産地証明書の内容が正しいかどうかが、
気になるところではありますが、
確かに有効な原産地証明書は、その商品の「原産地」を証明するものではあります。
しかしそれだけでは、「EPA特恵税率」や「一般特恵税率」は、適用されません。
「積送基準」「手続き規定」の3つすべてをクリアーにしなければならないことが
必要であることを、再度大事であると認識しましたのでお伝えしました。
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