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共和商会の古迫です。
さて、商品を積んだコンテナを、そのままお客様の元までお届けするFCL貨物につきましては、残念ながら時々、輸出・輸入を問わず荷崩れが発生してしまう場合がございます。
荷崩れの原因としては、単純に積み方の問題であることもありますが、梱包をきちんとしていた場合でも輸送途中で発生してしまうことがあります。海上輸送中、特に台風の後など波が高くなっている場合などに発生しやすくなってしまいます。
また、そういった状況下では、コンテナ内に隙間があると、中の商品が移動してしまうため、ダメージが発生してしまうこともあります。
そこで、上記のような状態を防止するための対策として、ラッシングを行います。
今回はFCL貨物のラッシングについて書かせていただきます。
まず、ラッシング(Lashing)とは、コンテナ輸送中にコンテナ内部の商品が動かないように、
ベルトや木材などの資材(ラッシング材)を利用して固定することを指しております。特に木材や角材を利用する場合はショアリング(Shoring)と呼ぶこともあります。
また、少し余談にはなりますが、本船に積み込まれたコンテナを固定することや、台風の時などにコンテナヤードにてコンテナを固定することもラッシングと呼ばれています。
次に、ラッシングの方法について、代表的なラッシング材とともに、いくつか紹介させていただきます。
1.ベルトや紐などを利用する場合
元々ラッシングといえば、この方法を指しているようです。一般的に使われるドライコンテナの内部には、ベルトなどを通すためのフックがついています。積み込んだ商品に巻き付けたベルトをこのフックに取り付けることによって固定できるようになっています。
この方法は、上下左右あらゆる角度から固定することができ、特殊な形状や重量物にも対応しやすいため、大型の機械などの商品を固定するのに適しているといえます。木材を合わせて使用することもよくあります。
また、コンテナに直積みされたカートンを固定する際には、紐やベルトの代わりにネットを用いることもあります。
2.角材やベニヤ板を利用する場合
一般的な商品をラッシングする場合、比較的よく目にするのがこの方法です。
コンテナ詰めする際には、カートンのまま積み込んだり、パレット梱包して積み込むことが非常に多いですが、カートンの形状などの影響で、積み上げる高さが列ごとに均等にならない場合があります。
また、パレット梱包する場合でも、物量によっては二段積みするため、コンテナの天井付近までの高さに達することが多々あります。
こういった場合、荷崩れが発生しやすくなるため、他と比べて高く積み上げた部分にベニヤ板などを当てることで、扉側に向かって崩れてくることを防ぎます。
コンテナに積み込む量がそもそも少ない場合や、パレット梱包された重量のある商品は、ベニヤ板を当てた上、角材を使って固定します。
よく用いられる方法ではありますが、木材を使用する場合は燻蒸済みのものを使用しなければならない点は注意が必要です。ベニヤ板など合板の素材はこの限りではございませんが、中国など一部地域では指摘される恐れがあるため、事前の確認が必要となります。
また、場合によっては木材をコンテナの床に釘で打ち付けて留めることもあります。ただ、コンテナの床を傷め、コンテナ返却時に修繕費を請求されてしまう可能性も高いため、基本的には避けた方がよい方法です。
3.その他の資材を利用する場合
コンテナに積み込む商品の性質や、輸入者様からの要望などにより、上記以外のラッシング材を使用することもあります。
例えば、パレットが大量にある場合は、余ったパレットを立てて数枚並べることで隙間をなくし、中の商品を固定するといった方法もあります。
他にも上記2つの方法と組み合わせる形で、商品とコンテナ壁面との間に緩衝材を詰める、ドラム缶のような商品はテープで固定するなど、様々な方法があります。
以上がラッシングの代表的な資材と方法ですが、最後に注意点について触れさせていただきます。
まず、コンテナ詰めを別の倉庫に委託している場合は、ラッシングを依頼すると、基本的にラッシング費用が別途発生してきます。具体的な料金は倉庫によって異なっていますが、ラッシングの作業料とラッシング材の材料費がかかることがほとんどです。
輸出者様が自社でコンテナ詰めされる際は、ラッシング作業料は発生しませんが、上述の通り、木材を使用される場合は燻蒸済みのものを用いる必要があるため、特に注意が必要です。
また、2016年7月に発行した改正SOLAS条約(※注1)により、貨物重量とコンテナ自体の重量に加え、使用したパレットやラッシング材の重量も含めたコンテナ総重量をコンテナ搬入票に記載し、コンテナヤード等に申告することが必須となっております。この点も注意が必要です。
このようにラッシングには様々な方法があり、注意点もございます。荷崩れによる商品の破損を防ぐため、輸出なら現地輸入者様と、輸入なら輸出者様と最適の方法について相談しておかれることをお勧めいたします。
※注1:海上における人命の安全のための国際条約(The International Convention for the Safety of Life at Sea) 附属書第6章の改正に伴い、2016年7月より、荷主に対して船積み前のコンテナ重量計測および申告が義務付けられることとなった。
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