スタッフブログ

2013年5月

2013年05月31日

食品輸入時の確認事項 規格基準について

こんにちは。
今回は西田が担当致します。

さて、私たちは安全に生活を送る上で、様々なルールに守られています。
例えば、自動車は「道路運送車両法」の規定に基づいて保安基準が定められています。
走行性能やシートベルトの技術基準など細かく定められており、
これによって、安全基準を満たさない自動車が世に出回らない様にされています。

では、食品はどうでしょうか?

食品を輸入する際、検疫所に「食品等輸入届出」を提出し、検査や指導を受けることがあります。
(詳しくはこちらブログ【食の安全はどのように守られているか 輸入検査について】をご覧ください)

無論、検査は闇雲に行われているわけではなく、
日本に流通する食品には、食品衛生法において「食品、添加物等の規格基準」が定められ、
その基準に則って検査や指導がなされ、適合しないものは輸入できないようになっています。

ですから、食品の輸入を考える場合には、「食品、添加物等の規格基準」の内容を理解し、
適合しているかどうかメーカーさんに確認することが大切です。

「食品、添加物等の規格基準」は

食品
添加物
器具及び容器包装
おもちゃ(乳幼児が接触するおもちゃ)
洗浄剤(野菜、果実または飲食器用)

の5つの部で構成されています。

このうち「食品」の部は、
「食品一般」に対するものと清涼飲料水・冷凍食品など個別品目に
対するものの2種類があります。

「食品一般の成分規格」では、

・食品は原則、抗生物質・抗菌性物質を含有してはならない
・遺伝子組換え食品は安全性審査の手続きを経たものであること
・食品に残留する農薬または動物用医薬品のポジティブリスト制度※の規定
・食品に放射線照射してはならないこと
・製造等に使用する鶏の殻付き卵は、食用不適卵であってはならないこと

などがあります。

輸入届出をした際に検疫所からの指導で、成分や製造工程を記した書類に原材料が
非遺伝子組換えである場合には「非遺伝子組換え」と明確に記すことや、
放射線殺菌を行っていない証明書を求められることがありますが、
それは、これらの規定に基づいています。


個別の規格基準が定められている食品は、
成分規格(重金属、細菌数、化学物質などの項目に関し設定される)、
製造・加工・使用・調理基準 が必要に応じて定められています。

【個別の規格基準が定められている食品】※※


1. 清涼飲料水  2. 粉末清涼飲料  3. 氷雪   4. 氷菓
5. 食肉および鯨肉(生食用冷凍鯨肉を除く) 6. 食鳥卵
7. 血液・血球および血漿  8. 食肉製品  9. 鯨肉製品
10. 生食用鮮魚介類(生食用かきを除く)  11. 生食用かき12. 魚肉ねり製品
13. いくら・すじこ・たらこ   14. ゆでだこ   15. ゆでがに  16. 寒天
17. 穀類・豆類・野菜  18. 生あん
19. 容器包装詰加圧加熱殺菌食品   20. 豆腐   21. 即席めん類  22. 冷凍食品


食品を輸入する際に検疫所より検査の指導がある場合、
大体、個別基準が定められているものである事が多いのです。

例えば、加熱後摂取冷凍食品であれば、「細菌数(生菌数)が検体1gにつき100,000以下で、
かつ、大腸菌群が陰性でなければならない。」という基準があり、
検疫所からこの基準を満たすかどうか、指定検査機関で検査を行うように指導されます。

輸入する食品に「個別の規格基準が定められているかどうか」を確認すれば、
輸入時に指導検査があるかどうか、ある程度分かると思います。


さて、今回は日本に流通する事のできる食品の基準について、書かせて頂きました。
私が個人的に気になるのは、自動車や食品のような基準のあり、
ルールで守られているものはいいのですが、
例えば、今後社会で必要になるであろう、介護用品や介護ロボットなど、新しいものには安全性の基準がないそうで、困っている人たちがいるそうです。

製作や販売する側にしてみれば、法的な安全基準のない中で作ったり、売ったりして、後から基準ができてしまうリスクは冒せませんし、
買い使用する側からすれば、安全性の確認をどうすればよいかもわからず、不安ですよね。

そう考えると、法的な基準の整備の大切さがよくわかります。


※ポジティブリスト制度 食品中の残留農薬について→

※※個別の規格基準が定められている食品→

2013年05月24日

「輸入関税」を事前に知る方法

こんにちは、共和商会の林です。

今回は、税関による「事前教示制度(品目分類関係)」について、
少しお話ししたいと思います。

まず、本題に入る前に、「事前教示制度」に関連して、
「輸入関税」と「HSコード」について、
おさらいしておきましょう。

先に、「輸入関税」について、
こちらは、日本の国内産業を保護するためなどの理由から、
一部の輸入品について課せられる税金で、
仕入れコストの一つとなります。

これは、ご商売として、輸入業務をしておられる方は、
自分の輸入する、どの商品に、どれぐらいの関税がかかるのか、
各々きちんと把握し、販売価格に反映しておかないと
その分、利益を減らすこととなってしまう、ということです。

次に、「HSコード」について、
こちらは、輸入品一つ一つに対して、原則、必ず決められるもので、
関税は、このHSコードによって確定することとなります。
(関税は、HSコードだけでなく、その商品の輸出国により、
 また、日本がその輸出国とEPA(経済連携協定)などを結んでおり、
 それが適用できるかどうか、などによっても変わります。)

では、ここで、一つ例を挙げましょう。

ある輸入者が、海外で見つけた「フィットネス商品」を
日本に輸入し販売しようと、自身でHSコードを調べてみたところ、
"9506.91"「身体トレーニング用具」とあるのを見つけました。
そして、関税を確認すると、どの国から輸入しても無税なので、
この情報を元に販売価格を決め、お客さまに告知してしまったとします。

ところが、いざ、その製品を日本へ持込み、
税関へ輸入申告したところ、
それは「身体トレーニング用具」とは認められず、
HSコード"3916.XX"「プラスチックの形材」と判断され、
ゼロと思っていた関税を納付せねばならないことになり、
輸入者は、その分、利益を削られることとなってしまったのです。

実は、こういったことは、時々見受けられるのですが、
ちょっとした認識の相違で、大事な利益を左右されるのは、
ぜひ避けたいもの。

そこで、このような事態を回避するための一つの方法として、
税関の「事前教示制度」を利用することになります。

これは、ある商品を輸入する前に、
税関へ、その商品の詳細を伝えることで、
関税がいくらになるのか、先に確認しておくものです。
詳細は、下記税関のページをご覧ください。
http://www.customs.go.jp/zeikan/seido/index.htm#a

実際に、この制度を利用され、
関税ゼロと思っていた輸入品に、早い時点で関税がかかることが分かり、
問題無く対応できた例や、
逆に、関税がかかるはずと思っていた商品が、
税関により無税と判断された例もあります。

輸入で商売しておられる皆さんは、ここ最近の円安により、
コスト増でお悩みのことと思います。
その上、さらに思わぬ関税で利益を削られることの無いよう、
「事前教示制度」の利用も検討してみて下さい。
2013年05月17日

輸出木材梱包のくん蒸処理

今週のスタッフブログは池田が担当します。

海外に商品を輸出するには
商品を保護し、
安全に輸入者様に届くようにするために
外装を頑丈にする必要があります。
梱包の材料には、
プラスチック、スチール、段ボール、木材などの材質を使用して
梱包を行うのですが、
木材梱包材のなかには、
病害虫が寄生している危険があるため
輸入国に侵入を防ぐために消毒を行う
規制があります。

木材梱包材の消毒方法として
熱処理(木材の温度を摂氏56度以上で30分以上で加熱する)や
薬剤処理(臭化メチルくん蒸)
のいずれかの方法で処理を行います。

消毒処理の期間は、
専門の梱包業者さんに依頼してから
害虫の駆除出来ているかの確認や
木箱の消毒の乾くまでの期間として
約1週間から10日くらい掛かります。

作業が終了しましたら
梱包材の見えるところに
熱処理の場合はHT、薬剤処理の場合はMBと示された
消毒処理済みのスタンプを押印されます。

もし、消毒処理さていない木材梱包材を送った場合
輸入国で消毒処理を行わなければならないため
輸入手続きに時間を要してしまったり
場合によっては、荷揚げ自体が出来ずに
商品を自国に引き返される可能性も考えられます。

上記のように時間のかかる消毒処理の
対象でないものとして
薄く切った板を接着、熱や圧力を使用して加工された
合板(ベニヤ板)を使うことによって
梱包の時間を短縮することが出来ますが
張り合わせた板なので
重量物を梱包するのは難しいです。

国内輸送と比べて
海外輸送は長距離になりますので
商品の重量や形状などを考慮して
木材梱包を行う必要があります。

2013年05月10日

容器の分類はいろいろ

こんにちは。
通関士の橋本挙裕(たつひろ)です。

以前、水中メガネを例に挙げ、
形状によって分類が変わることをお伝えしましたが、
容器(味気ない言い方ですが・・)についても、形状や目的によって分類が分かれるのでお伝えします。

一言に容器といってもいろいろありますが、
まず、関税率表の42類のかばんに分類されるものをお伝えします。

例えば、キャリーケース、ハンドバッグ、財布等は42類に分類されるのですが、
関税率表の解説には、42類のかばんに分類する為の要件が設けられています。

まず、その容器の一番の目的が携帯することであるかどうかを問われます。
キャリーケースのように携帯することが明らかな場合はよいのですが、
商品によっては、一番の目的が携帯することなのか、または収納や保護することなのか
判断が困難な場合もあり、分類に不統一が生じることもあります。

その為、携帯する事を目的としていると認められる判断基準として
 1.携帯のための肩ひもや取っ手がある
 1.留め具がある
 1.長期間の使用のための耐久性がある
 1.実用性があるスペースがある
以上の要件をすべて満たす場合は、携帯することを目的としていると認められます。

それでは、基準を満たさないものはどこへ分類されるかというと、
例えば、ビニール製のポーチで耐久性が乏しいものの場合や、
紙製のショッピングバッグなど長期間の使用を目的とされていないものは
39類のプラスチック製品や48類の紙製品の材質によって分類されます。

また、要件は満たしているようなものであっても、42類の除外項目とされていて
関税率表の他の類に特に明記されているものは、その類へ振り分けられます。
「竹」や「わら」等で組んだ容器は46類の組物製品、網地で出来た容器は56類の網地製品へとなります。

分類が分かれるということは、それだけ関税率にも影響し、
48類の紙製品の無税から42類のかばん類16%(革製)まで幅広く、費用面に影響がでるので、
使用書や写真等で、容器の目的や形状をきっちり把握することが大事です。