スタッフブログ

2013年4月

2013年04月26日

修繕のため輸出した貨物の再輸入について

いつも弊社のブログをご覧いただきありがとうございます。
今週は通関の川本が担当させて頂きます。
 
 海外から商品を輸入していると、商品が不良品であったり、
何らかの理由により製造ミスという事態が起こりうると思います。
その対応の一つとして、輸出者やメーカーに商品を送り返し、修繕を行って
から再輸入するという手段があります。
 最初に輸入した際に、関税を払っているので、修繕後の再輸入の際は無条件
で免税になるかと思いきや、実はこの「修繕のため輸出された貨物」の再輸入は、
その修繕の程度により、再輸入の際に関税が減税になるか、無税になるかが
異なってくるのです。
 「修繕」の定義とは、関税関係基本通達によると「貨物の機能等が低下
した箇所を元の状態に修復する行為をいう」(抜粋)とされています。  
 
 再輸入の際、無税を適用するには、「関税定率法第14条第10号」の
「再輸入貨物の無条件免税」の要件を満たしていなくてはなりません。
この要件は、再輸入される貨物(修繕された貨物)の形状や性質は、輸出時の
それらと同一であると認められるものでなくてはなりません。逆に言えば、少しでも
形状や性質が変わってしまえば、再輸入の際、無税を適用できないことになります。
 
 ただし、輸出時と再輸入時の商品形状が同じであっても、修繕作業により、
最初に輸入した際の商品の状態に少しでも付加価値が与えられれば、無条件免税
の適用は難しくなりますので非常に注意が必要です。
 具体的に言いますと、その修繕過程で例えば、より頑丈にするために特殊な技術や
材料を用いて修繕を行った場合や、新たに部品を組み込む等、商品の形状が
変わっていなくても、本来あるべき商品の状態以上に付加価値が付与されている
とみなされ、無条件免税を適用できず、減税を適用することになる可能性があります。
 
 つまり、修繕のために輸出された貨物の再輸入は、一見、単なる修繕のように思えても、
その作業の程度によっては、関税がかかってしまう可能性がありますので、非常に
注意する必要があるのです。

2013年04月19日

輸入コンテナのフリータイムについて

今週は林田が担当いたします。

今回は輸入コンテナのフリータイムについて書かせていただきます。

「フリータイム」とは、
輸入されてきたコンテナをコンテナヤードにて、
無償で保管してもらえる期間(デマレージ)のことを指しており、
ドライコンテナで通常5営業日程度設定されております。
過去には弊社のブログでもご紹介させていただいております。

この「フリータイム」という言葉ですが、上記以外でも使われることがあります。
それは、コンテナヤードからコンテナを搬出してから、
返却するまでの間に無償で利用できる期間(ディテンション)のことです。

コンテナは船会社から借りている物であり、
返却しなければなりません。

その返却される時間が遅くなればなるほど、
コンテナの回転率が悪くなり、業務に支障をきたす恐れがあります。

ですので、船会社は、コンテナヤードからコンテナを搬出した日から、
5営業日程度をフリータイムとして設定しており、返却が遅れた場合、延滞料金を徴収しております。

船会社によって異なりますが、フリータイム超過後に発生する20フィートのドライ・コンテナで
1日目から5日目以内にコンテナを返却する場合 : 1,200円/日
6日目以降にコンテナを返却する場合 : 2,400円/日
 
となっております。

日本では通常、上記のようなフリータイム設定ですが、
その他の国や地域、船会社によっては、
事情も異なります。

例えば、ある地域では、
上記のようにフリータイムに2つの意味はなく、
輸入されてきたコンテナをコンテナヤードにて無償で保管してもらえる期間と、
コンテナヤードからコンテナを搬出した日から、無償でコンテナを返却できる期間を、
合わせてフリータイムとして設定されているところもあります。

フリータイムの期間はもちろんのことですが、
どのようにフリータイムが設定されているのかを、
確認しておくことが重要になります。

2013年04月12日

輸出時の関係他法令について 「麻薬及び向精神薬取締法」を中心に

こんにちは。今回の担当は西田です。

近頃は円安傾向にあるからか以前よりも輸出について
お問い合わせを頂く事が増えております。

さて、輸出を考える上で、とても大切な事に
「輸出する貨物が他法令の許可、承認が必要かどうか」という事があります。
(輸入手続きでも同じなのですが・・・)

商品を輸出するときには、関税関係法令に従い、、輸出の許可を得ます。
関税関係法令では商品の数量や価格など、輸出する商品の内容確認に重きが置かれておりますが、
貨物の内容が確認できれば、何でも輸出が許可されるわけではありません。
商品によっては、先に関税関係法令以外の法律(他法令)の許可、承認が必要になるのです。

例えば、絶滅のおそれのある野生動植物や武器などが、自由に輸出入できるのであれば、
種の保存や治安維持が大変困難になるでしょう。

では、輸出通関をする上で確認しなければならない他法令にどのようなものがあるのかといいますと
税関のホームページに下記の一覧があります。                               
文書1_01.jpg

どれも、しっかりと確認をしなければなりませんが、そもそもどのような商品が規制に掛かるのかが分かり難く、
気を付けて頂きたいものに「麻薬及び向精神薬取締法」があります。

「麻薬及び向精神薬取締法」とは、簡単にいいますと、麻薬や向精神薬が安易に取り扱われ、
公共の福祉に悪影響を与えることを防止する法律です。
輸出入通関に際しては、麻薬向精神薬原料を含む貨物について、必要な手続きを経ているかを確認されます。
麻薬向精神薬原料を含む貨物は、インクや接着剤などの化学品に多く、
これらを輸出入するときには、その原材料から麻薬向精神薬原料に当たるかどうかを確認し、必要な許可・承認の手続きを行う必要があります。
(インクや接着剤などの化学品の輸入の際には「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」にも該当する場合が多い)

具体的に麻薬向精神薬原料とみなされるものは下記の通りです。

【麻薬向精神薬原料とは】

アセトン (50%を超えるもの)
トルエン (50%を超えるもの)
メチルエチルケトン (50%を超えるもの)
エチルエーテル (50%を超えるもの)
アントラニル酸 (50%を超えるもの)
ピペリジン (50%を超えるもの)
硫酸 (10%を超えるもの)
塩酸 (10%を超えるもの)
N-アセチルアントラニル酸 (50%を超えるもの)
イソサフロール (50%を超えるもの)
エルゴタミン (50%を超えるもの)
エルゴメトリン (50%を超えるもの)
過マンガン酸カリウム (10%を超えるもの)
サフロール (50%を超えるもの)
ピペロナール (50%を超えるもの)
無水酢酸 (50%を超えるもの)
3・4?メチレンジオキシフェニルー2?プロパノン (50%を超えるもの)
リゼルギン酸 (50%を超えるもの)

*下線の物質は、特定麻薬向精神薬原料である。
*アセチレンを充填した容器に内蔵された多孔物質に浸潤されたアセトン、放射性物質は除く。
*車両、船舶等への搭載の有無にかかわらずバッテリーに使用されている硫酸については、
平成18年6月27日付、薬食監麻発第0627001号の通知により、届出の除外対象になりました。
なお、バッテリーに使用される予定の硫酸であっても、現にバッテリーに使用されていない硫酸を輸出、輸入する場合は届出が必要です。


麻薬向精神薬原料に該当する貨物を輸出入する場合の手続きについては
同ホームページ上で手続きに必要な、届出の用紙等をダウンロードすることができます。
原料によって、輸出入の都度に届出をしなければならなかったり、期限内の証明書があれば届出の必要がなかったりしますので
良く確認する必要がありますが
いずれにしましても、この手続きを経て入手した証明書が輸出入通関の際に必要になります。

また、日本で他法令の規制にかかる貨物は、海外でも同様に規制にかかる可能性が高いということに留意する必要があります。

例えば、先に説明をした「麻薬及び向精神薬」は国際的に「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」
において規制されておりますので輸出する場合には、輸入者が貨物の輸入に際して、自国の規制に必要な手続きを行っておくことが大切です。

法規制の整備がまだまだ整っていない国も多く、頻繁に規制の変更や追加が行われておりますので
規制の確認は現地にて行う事が重要となっております。

【参考】
税関で確認する輸出関係他法令の概要

厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部

厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部 許可申請手続き

2013年04月05日

輸出入におけるDOOR DELIVERYについて

こんにちは。共和商会の林です。

今回は、輸出入におけるDOOR DELIVERYについて、
すこし書いてみたいと思います。

DOOR DERIVERYとは、
文字通り、届け先のドアまで商品などを配達することで、
日本国内の取引では、郵便や宅配便ほか、
当たり前のように利用しておられることでしょう。

また、輸出入においても、
航空便を利用した国際郵便やクーリエ便(FEDEXやDHLなど)が、
DOOR-TO-DOOR DELIVERYとして、
送り先で商品を受け取り、受取り先まで届けたりしております。

一方、船便を利用したDOOR DERIVERYというのは、
あまり見かけることがなく、
いわゆるインコタームズの"FOB"や"CFR"が
圧倒的に多いのが現状です。
※"FOB"や"CFR"については、こちらをご参照ください。

なぜ、このようになっているのでしょうか?

これは、貿易におけるリスクについて考えてみることで、
説明できるかと思います。

貿易において、輸出者が、一貫手配して、
輸入者のDOORまで商品を届けるということは、
それまでに起こり得るリスクを、
原則、全て輸出者が負担することとなります。

具体的には、いわゆる事故をはじめとして、
相手国における輸入規制、税関検査、税制など
全てクリアーして、輸入者まで届けねばなりません。

これらは、その国の人間でない者が、海外に居ながら、
事前に全てを把握し、対策を立てておくことは困難であり、
現地の事情は、現地の人が一番よく知っているものとして、
お任せするのが得策だと考えられます。

こうして、船便での輸出入は、"FOB"や"CFR"とすることで、
輸出者と輸入者のトータルで見た手間を減らし、
また、相手国での輸入手続きもスムーズに進み、
双方にメリットがあると考えられます。

ちなみに、国際郵便やクーリエ便は、
一般的に、船便と比較して、輸送品の数量がずっと小さいため、
上述したような、DOOR DELIVERYのデメリットを
ほとんど感じることがないのだと思います。
<参考>

なお、輸送品の数量が大きいのに、急いでいるため、
あえて航空便を利用するような場合は、
上記事情から、船便と同様、"FOB"や"CFR"が一般的となります。

少量の輸出入から始まり、数量が増えてきた場合、
DOOR DELIVERYは便利ではあるのですが、
必ずしもお得ではないことを、頭に入れておいて下さいね。