スタッフブログ

2012年11月

2012年11月30日

貨物の個別搬出について

いつも弊社のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
今週は、通関の川本が倉庫からの貨物の個別搬出について説明させて
頂きたいと思います。
 
 輸入者の皆様は、例えば100カートンの輸入許可がおりた場合、全量を一度に
引き取ると保管場所に困るため、全量のうちの10カートンだけを先に納品
して欲しい、と思われることはないでしょうか?保管場所(配送先)のスペースが
限られているお客様でしたら、そう考えられる輸入者様も多くおられるかと思います。

 ところが貿易の場合、輸入数量の一部を先にコンテナーヤードやCFS倉庫から
引き取ることは出来ません。複数のコンテナー(FCL貨物)を1件の申告で輸入する場合は、
希望のコンテナーを個別に引き取る事は可能です。ただし、FCL貨物であるコンテナーを
コンテナーヤードで開けて、貨物の一部を先に引取り、納品するという事や、混載便貨物を
CFS倉庫で数回に分けて引き取る事はできません。FCL貨物はコンテナーごと引取り、
混載便(LCL)貨物でも最初に搬入されたCFS倉庫から一度に引き取る事が原則です。

 貿易を頻繁にされているお客様でしたら、輸入数量と搬入先のスペースを計算されて
おられる事かと思いますが、なかなか計画が立てにくい輸入者様もおられることと思います。
弊社も所有しておりますような保税蔵置場でしたら、LCL、FCL貨物を問わず、
一度全量を搬入した後、仕分けや検品後、個別に納品先にお届けすることができます。

 貨物が港に到着したものの、個別搬出が出来ないことに加え、搬入スペースがない
という理由などでCFS倉庫に長期間搬入(フリータイムを超えた蔵置)しておくと、
保管料が加算されていきますので、一度、保税蔵置場に搬入する、というのも方法の
一つとして挙げられます(注1)。ただしデメリットとしては、CFS倉庫から直接
納品先に運送する場合とは異なり、一旦、保税蔵置場に運送し、搬出入作業が行われますので、
運送費用や搬出作業料等がかかってしまいます。

 基本的には、輸入数量のうち配送先にいつ、どれだけ配送、搬入できるのか、
という事や、配送先に一度に搬入できない輸入数量であれば、どのように納品するのかという
方法を事前に確認しておくことが重要です。

(注1)保税蔵置場でも、指定のフリータイムを超えると保管料が加算される場合もあります。
 LCL貨物…一つのコンテナーに複数の荷主様の貨物を集めて混載便として輸入される貨物
 FCL貨物…一つのコンテナーに一つの輸入者様が貨物を積んで輸入される貨物

2012年11月22日

自転車輸入の注意点

今週は林田が担当致します。

季節はすっかりと秋になりました。
スポーツの秋ということで、
最近では、通勤に自転車を利用する方をよく見かけることがあります。

その自転車ですが、日本で生産されたものだけではなく、
輸入されてきた自転車も多く乗られているようです。

そんな自転車ですが、輸入に関しまして、気をつけなければならないことがあります。

それは「アスベスト」です。
アスベストは、飛び散ること、吸い込むことによって、
健康障害を起こす可能性があるものとして知られており、
アスベストが含まれる製品の輸入は禁止となっております。

アスベストは、熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくい性質があり、経済性にも優れており、
かつては、ブレーキのブレーキパッド、ブレーキライニングと呼ばれる摩擦部材に使われてきました。

ですので、ブレーキパッド、ブレーキライニングが使用されているブレーキや、それらが使用されている自転車の輸入申告の際には、
アスベストを使用していない旨を証明する、当該ブレーキメーカー様発行の書面原本を、税関に提出しなければなりません。

ブレーキパッド、ブレーキライニングが使用されているブレーキは、
「ディスクブレーキ」「ドラムブレーキ」「バンドブレーキ」となります。

しかし、自転車のブレーキには、ブレーキパッド、ブレーキライニングが使用されていないものもあり、(例 カンチブレーキ、ローラーブレーキ等)
そういったブレーキの輸入には、インボイスに、そのブレーキの名称を記載しなければなりません。

自転車の輸入につきましては、上記のことが必ず必要となります。
これから自転車の輸入を考えてらっしゃる方は、ご注意ください。

2012年11月16日

HSコード雑感

こんにちは、共和商会の林です。

今回は、このスタッフブログで、何度も取り上げられております
HSコードについて、私の思うところなど、書いてみたいと思います。

まず、復習としまして、HSコードとは、
「国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一する目的のために作られたコード番号」
であり、おおよそ世界中にある全ての商品は、
世界共通で、いずれかのコードに分類されることになっております。
<参照:JETROサイトより>

このHSコードが分かれば、商品を輸出入する際の規制などが確認でき、
また、輸入の場合は、関税率が確定することとなりますので、
輸出入しようとする商品が、どのコードに分類されるかは、
たいへん重要なこととなります。
そして、この分類を、間違いなく行うことは、
私ども通関業者の最も大事な業務の一つなのです。

実は、輸出入通関は、通関業者に頼まなくても、
輸出入者自身で、行うことが可能です。
ただ、HSコードを調べるのは、なかなか難しく、
専門家に任せてしまう方が合理的であるとの判断から、
大半の方々が、通関は我々業者に委託しているのが現状と思われます。
(念のため、通関は、HSコード分類だけではありませんので、
 その点、ご留意くださいませ。)

では、HSコード分類作業を、少しだけ、具体的に見ていきましょう。

HSコードを調べる際は、
輸出であれば「輸出統計品目表」
輸入であれば「実行関税率表」
という、電話帳より重くて大きな本を見ることが多いと思います。
※ご参考までに、上記本は、書店でも販売されており、
 普通に購入することができます。
 また、これらは、税関の下記ページより見ることも可能です。

通関担当者であれば、HSコードは、だいたい頭に入っているので、
該当する商品をお客様より聞き、分類に必要と思われる項目を確認し、
当りを付けて、直接上記表などを調べていきます。

が、例えば、いつまで経ってもHSコードを覚えられない?!私は、
先に、本の巻末にある索引を見て、お目当ての商品を探すことになります。

で、この索引が、ちょっと使いづらい・・・

まず、なぜか、きっちり50音順になっていない!?
例えば「ア」の項目なら、
「安全カミソリ」が「編機」より上に記載されている、など・・・

次に、ズバリ商品名の記載が見つかれば良いのですが、
カタカナ・ひらがな・漢字を厳格?に分けているため、
例えば、ある商品を「漢字」と思い込んで探していると、
すぐに、それが見つけられない。

また、それ以前に、
「プリンター」ではなく「印刷機」
「コンプレッサー」ではなく「圧縮機」
「じゃがいも」ではなく「ばれいしょ」
など、少し言い換えしないと、見つけられないものがあったりします。

さらに、ズバリ商品名が見つかったとしても、
たまに、落とし穴?があります。
例えば、「消しゴム」などは、索引を利用すれば、
すぐにHSコードが見つかります。
しかし、そのコードは、本物のゴムで出来た「消しゴム」のものであって、
現在、世間で一般に使用されているプラスチック製の「消しゴム」は、
全く別のコードに分類されるのです。

そして、頭を悩ませるのが、
そもそも索引に、商品名が記載されていないもの・・・
というか、実際には、そういう商品は、かなりの数あります。

そういう場合、今度は、上記本の巻頭にある目次から探すことになるのですが、
これまた、索引より、はるかに分かりにくい・・・

この目次は、商品の用途や材質を基準として、おおまかに分類されており、
それを見ながら、該当する商品を、各HSコードの定義に照らし合わせ、
特定のHSコードに分類していくことになります。

例えば、「ベッド」は索引に記載が無いので、その材質を確認した上で、
「金属製家具」や
「寝室において使用する種類の木製家具」
といったように分類していきます。

と、こう書くと簡単なようですが、この目次、相当慣れないと、
なかなか目当ての商品に辿りつけません。
ご興味のある方は、ためしに、上記税関のページを見てみて下さい(笑)

ところで、先に、HSコードは、
「おおよそ世界中にある全ての商品が」「いずれかのコードに分類される」
と書きました。
「え?どうやって?」と思われた方もおられるかと思います。

そのからくりは、上記のような手順を踏んでも、
どうしても分類できない商品は、
「輸出統計品目表」「実行関税率表」中の
品名欄の所々に記載のある「その他のもの」に、
うまく押し込めて?分類していくことになります。

例えば、先程、例に挙げました「プラスチック製消しゴム」は、
「その他のプラスチック製品」として分類されることになるのです。

このほかにも、HSコードの分類で注意しなければならないことは、
本当にたくさんあり、
このブログでも、各スタッフが、いろいろな視点から、
HSコードについて書いております。
また、お手すきの際に、御覧いただけましたら幸いです。

2012年11月09日

初めての輸入:輸入貨物を引き取るには

今週は西田が担当です。

ときどきお客様から

「輸入した貨物の通関や引取手続きを自分ですることはできるでしょうか?」

という質問を受ける事があります。

答えは「できる」なのですが、何の知識もなしに輸入手続きを行うのはとても大変です。

今回は、海上輸送で、一般貨物として輸入をする場合について

貨物を引き取る大まかな手順をお伝えしたいと思います。

(一般貨物以外の輸入方法としては国際宅配便や郵便小包があります。)

早速、貨物を受け取るまでの手順を簡単に示すと下記のようになります。


image001.jpg

























このように、税関で通関手続きをすれば、貨物を受け取れるという訳ではなく、

各々の手続きを完了して、やっと貨物を受け取る事が出来ます。

image002.png







まずは、B/L, INVOICE, PACKING LISTが必要です。

中でもB/Lは貨物の受取等を証する運送証券であり、2.ARRIVAL NOTICE3.の輸送関係書類を船会社等から入手するのに必要になります。

image003.png





ARRIVAL NOTICEは船会社が貨物の到着を知らせる書類で、海上運賃などの請求書も兼ねています。

B/Lに記載されている連絡先に、大体、本船の入港前日か当日頃、船会社から届きます。(FAXで届く場合が多い)

B/Lに荷受人の連絡先が記載されていない場合、B/LPARTY TO CONTACTに記載されている船会社に連絡し、送付してもらいます。

【ポイント】

ARRIVAL NOTICEには貨物の保管先が記載されており、最終的に、その保管倉庫まで貨物を引き取りに行きます。

・貨物の無料保管期間をARRIVALに記載の保管倉庫に確認しておきましょう。

image004.png






2.ARRIVAL NOTICEに記載されている海上運賃などの金額を船会社に支払い、

貨物受け取りの際に必要となる輸送関係書類(デリバリーオーダー等)を受け取ります。

支払方法は、直接、船会社に支払いに行くか、銀行振り込みになります。

B/LORIGINALの場合には、輸送関係書類(デリバリーオーダー等)の受け取りはB/Lの原本と引き換えになります。

image005.png





貨物が保管されている保税地域を管轄する税関官署に輸入申告を行います。

各税関官署はこちらのページで確認する事が出来ます。→http://www.customs.go.jp/hozei/zouchi.htm(税関ホームページ)

「輸入(納税)申告書 (税関様式C-5020128kb;PDF

B/Lの写し, INVOICE, PACKING LST, ARRIVAL NOTICE及び貨物の詳細が分かる書類(図面、写真等)を

添付して税関に提出します。

(輸入申告書の記載方法については http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1110_jr.htm (税関ホームページ)をご参照ください)

image006.png





輸送関係書類(デリバリーオーダーなど)と輸入許可通知書を貨物が保管されている倉庫に持参し、

それらと引き換えに貨物を引き取ります。


【ポイント】

・倉庫によって、引取の旨を事前(引取日の前日夕方の場合が多い)に連絡をしなければならない場合があります。

・倉庫から貨物引き取り時に必要な書類を別途指示される場合があります。

・貨物引き取り時に、貨物搬出料や保管料を支払わなければならない場合があります。

・倉庫によっては混雑の為、貨物引き取りに時間を要する場合があります。


以上が貨物引き取りまでのおおまかな流れになります。


スムーズに手続きが進んだ場合でも、数か所を回らなければなりませんし、

他法令の許可や税関検査の手配が必要な場合には、一層複雑になります。

日本では輸入手続きをするのに、特別な免許がいるわけではありません。

しかし、通関手続きは専門知識がなければ、スムーズにいかない場合がありますし、

各港、倉庫によって、必要な手続きや混み具合など、地域に根ざしていないと分からない事柄もあります。

それらの点を十分留意し、輸入手続きに望みましょう。


2012年11月02日

"FOB"と"CFR"は、どちらが得なの?(2)





次に、「スケジュール」の面から・・・

"CFR"の場合、輸出者が、船会社と本船スケジュールを決定すると、
前回お話ししました。

となると、輸出者は、製造や仕入れを、自分たちの都合の良いように調整し、
それに合せて船積することになりかねず、
輸入者の希望は、二の次となることが、まず考えられます。

もちろん、契約の時点で、納期の打合せはしておられるでしょう。
ただ、残念ながら、海外の方々は、日本人ほど納期を厳密にとらえておりませんので、
自己の都合で、船積を遅らせることなど、へっちゃらなのです。
それも、事前の連絡も無しに・・・(苦笑)

また、"CFR"は、輸出者が本船運積を負担することも、
先にお話ししております。

そのため、前回の「お金」の面と密接に絡んで、
次のようなことも考えられます。

それは、輸入者が希望するような
輸出者の最寄港と、輸入者の最寄港を、ダイレクトに結び、
かつ、スケジュール遵守率の高い船会社の本船は、人気もあり、
運賃その他が、どうしても高額になりがち。

そのため、自身が運賃を負担する輸出者としては、
上記のような本船は避けることにし、
あちこちの港によって、スケジュールも遅れがちで、
それゆえに安い、船会社の本船を選ぶ。

そして、"CFR"での提示価格は、上記高い方の本船で設定しておき、
実際には、安い方の本船に船積みする・・・

そこで、上記のような各事態を防ぐため、
輸入者の側から、輸出者へ、
何月何日までに、輸入者の希望する港に着く本船に船積みしてもらうよう、
事前に、強く依頼しておく方法が考えられます。
(この場合、くれぐれも入港日で指定するよう、ご注意ください。
 船積日で指定すると、結局、遅い本船に積まれてしまいかねません。)

ただ、輸出者が、本船運賃を負担し、
船会社と本船スケジュールを決める"CFR"では、
上記主張は、どうしても弱くなりがちです。

そこで、"FOB"での契約を、改めて、考えてみましょう。
輸入者自身が、本船運賃を負担することで、
船会社と本船スケジュールを決められるようにし、
納期を、可能な限りコントロールできるようにするのです。

具体的には、輸入者の納期に間に合う本船に船積するよう、
船会社を通じて、輸出者に、働きかけてもらい、
早めにスケジュールを確定させることで、
製造などに優先的に取り組んでもらうよう仕掛けていく。

また、もし、それでも、輸出者の製造などが間に合わず、
事前に決めておいたスケジュールに遅れが生じるような場合があっても、
"FOB"であれば、船会社を通じて、いち早く、それを知ることができ、
納期を遅らせるなど、素早い対応が可能となるのです。


こうして、"FOB"と"CFR"の、どちらが得と、明確に決めるのは難しいのですが、
輸入に絞って言えば、上記説明してきましたように、
"FOB"の方が、少しメリットがあるように考えられます。

なお、"FOB"で、一点ご留意いただきたいのは、
輸出者だけでなく、船会社とも折衝しなければならないため、
その分、少し手間がかかってしまうこと・・・

以前読んだ、貿易取引の本に、

「輸入初心者の内は、"CFR"で貿易取引に慣れるようにし、
 時機を見て、"FOB"に切り替える。」

といった内容のことが書いてありました。
なかなかうまい表現だと思います。 

ちなみに、たまに、"FOB"での輸入でありながら、
船会社も本船スケジュールも、
輸出者に、全て任せてしまっている方がおられます。

これは、上記説明より、輸入者が本船運賃を負担しながら、
スケジュールをコントロールできないリスクを負うこととなり、
いろいろと問題が起こりかねませんので
くれぐれもご注意くださいませ。