スタッフブログ

2012年9月

2012年09月28日

食品を輸入する際の証明書「NO RADIO」とは

今週のブログは西田が担当致します。

秋の行楽シーズンになりましたね。
運動会や遠足、休みの日にはハイキングをしたり、
お弁当を食べる機会が多くなりそうです。
私は、心地よい秋空の下、家族みんなで食べるお弁当が大好きなのでとても楽しみです。

ただ気をつけなければならないのは、9月、10月は、
食中毒の発生件数が8月に次いで多いという事です。
気候は涼しくなってきますが、
まだまだ油断せず、お弁当のおかずなどはしっかり加熱し、
早めに食べるようにを心がけたいですね。

さて、最近ではお弁当のおかずの定番である冷凍食品ですが、
食品を冷凍保存することの利点は、調理の際の手軽さもさることながら、
長期保存に適している、すなわち、食中毒を起こす菌の増殖を抑えることに
効果的ということが挙げられるでしょう。
そのため、輸送に時間を要する海外からの輸入の際には、
加熱殺菌後、急速冷凍保存された状態で、輸入される事が多いのです。

加熱、冷凍保存、缶詰、真空パックなど、食品の殺菌保存技術は色々ありますが、
中には日本ではまだ認められていない技術もあります。

検疫所による輸入時のチェックの際に、
「この食品はNO RADIOですか?」と聞かれる事があります。
「NO RADIO」というのは「放射線照射による殺菌をしていない」ということです。

なぜ、検疫所が「放射線照射による殺菌」の有無を確認するのかというと、
「放射線の照射による殺菌」はアメリカや中国などで、
一部食品への殺菌方法として認められておりますが、、
日本国内ではじゃがいもの発芽を抑えることにのみ許可されるもので、
日本に輸入される食品に対する殺菌方法として、認められていないからです。

放射線照射による殺菌は香辛料や乾燥野菜に対する殺菌方法として有益とされております。

例えば、香辛料は生産過程で微生物による汚染が避けられないため、殺菌は必須であるのですが、
熱に対して、感受性が高く、殺菌に十分な温度で加熱してしまうと、
少なからず風味などが犠牲になってしまいます。

そこで、放射線を照射し、微生物を除去するという方法を許可している国があるのです。

とはいえ、日本では安全性の確認と、放射線に対する消費者心理を考えて、
ジャガイモ以外への放射線殺菌は未だ検討段階にあり、
放射線殺菌を行っている可能性のある国から食品を輸入する際には、
「NO RADIO」であることが、確認されているのです。

口頭での確認だけでなく、製造者の押印のある
「放射線を照射していないことを記す証明書」の提出をを求められる事もありますし

また、厚生労働省から指示されている製造者※によって製造された製品については、
放射線照射の有無に関する検査を受けなければ輸入できません。

貿易自由化は進む傾向にありますが、まだまだ、国それぞれの規制に違いがあり、
一方の国では当たり前のことでも、もう一方では禁止されているということは、たくさんあります。

輸出入では最悪の場合、積み戻しや廃棄となってしまうこともありますので、
早い段階で、専門機関に確認をすることが大切です。


※厚生労働省 検査命令対象食品等 http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/kensa/2012/dl/01_2_1-1.pdf



2012年09月21日

"FOB"と"CFR"は、どちらが得なの?(1)

こんにちは、共和商会の林です。

今回は貿易の基本中の基本、"FOB"と"CFR"について、
改めて、お話ししようと思います。

まず、"FOB"と"CFR"とは何でしょうか?

これらは、海外と貿易取引する際の条件とその解釈に関して、
国際商業会議所が制定した、
国際規則インコタームズ11規則(2010年版)の内の2つです。
<参照:JETROホームページより>

上記各規則には、貿易における
売主(輸出者)と買主(輸入者)の義務について詳細に定められており、
海外と売買契約を結ぶ際、輸出者と輸入者の話し合いで
どの規則で取引するのか、事前に決めておくのが一般的です。

そして、"FOB"と"CFR"は、これら規則の中で、
最もよく目にする2つとなります。

では、"FOB"と"CFR"の一番大きな違いは何でしょうか?

それは、
FOB:「輸入者」が本船運賃を負担
CFR:「輸出者」が本船運賃を負担
となります。

そして、このことより、通常は、
FOB:「輸入者」が「船会社」と「本船スケジュール」を決定
CFR:「輸出者」が「船会社」と「本船スケジュール」を決定
することになると考えられます。
(但し、「本船スケジュール」については、
 製品在庫の有無や、製造予定など、
 輸出者によるところが大きいのが現実です。)

さて、"FOB"と"CFR"の概略が分かったところで、
この"FOB"と"CFR"、どちらを選べば、得なのでしょうか?

ここからは、海外から日本へ、製品を輸入する場合に話を絞り、
「お金」と「スケジュール」の2つの面から、話を進めて参ります。

まずは、「お金」の面から・・・

例えば、輸入取引で、海外から見積りをもらう場合、
"FOB"と"CFR"で、その金額はどうなるのでしょうか?

これは、上記説明より、当然ながら、
輸出者が本船運賃を負担する"CFR"の方が高くなります。

そして、その差は、本船運賃該当金額と考えられ、
その点では、得も損も無いように思えます。

ただ、事はそう単純ではありません。

なぜなら、
「海外の輸出者が、海外現地船会社に、
 現地から日本に向けて船積を依頼した場合の本船運賃」
「日本の輸入者が、日本で、船会社に、
 海外から日本に向けての船積を依頼した場合の本船運賃」
とが、同じ金額になるとは限らないからです。

その理由としては、
・船会社の競合状態の違い
・輸出者と輸入者、各々の船会社との力関係
 (例えば、いつも利用しているため特別料金適用など)
など、いろいろあります。

また、上記単なる"FOB"と"CFR"の差額のほかに、
注意しなければならないのが、
"FOB"であれ、"CFR"であれ、輸入者は、本船運賃とはまた別に、
日本側で、船会社に支払わねばならない費用が存在することです。

具体的には、
・FAF(燃料調整費)
・YAS(為替調整費)
・THC(日本港でのコンテナ移動費用)
などとなり、これらは、輸出者の提示する見積りに記載されることは、
まず、ありません。

そして、上記日本側で船会社に支払う費用は、
"FOB"の場合は、先の説明通り、輸入者が船会社を決めるため、
事前に把握することが可能なのですが、
"CFR"の場合は、輸出者が船会社を決めるため、
輸出者へ、改めて、確認しなければ分かりません。

ですので、"FOB"と"CFR"のどちらが得なのかについては、
・輸出者の提示する見積り金額
・輸入者が把握できる本船運賃
・輸入者が日本の船会社へ支払う費用
を、全て確認し、トータルで判断しないと分からない
ということになります。

ここで、改めて、"CFR"での日本への輸入について考えてみましょう。

海外の輸出者に、日本側輸入者が、上記に従い、
日本で、船会社に支払うこととなる費用を、事前に問合せしても、
正確な回答がもらえるかどうか、少し不安なところがあります。

そこで、同じ取引を"FOB"で考えると、
輸入者は、本船運賃を負担することになるものの、
日本での船会社への支払い費用全額は、事前に明確となります。

となると、あとは、輸出者の提示する"CFR"と"FOB"の差額を合せて
トータルで検討すれば、よいことになります。

こう考えてくると、"FOB"に、少しですが、
メリットがある、と言えるかと思います。




2012年09月14日

搬入前輸出申告

今週のスタッフブログ担当の池田が
搬入前輸出申告について書かせていただきたいと思います。

輸出申告については、関税法67条2により、
原則として、輸出する商品が保税地域の倉庫へ搬入後に
行わなければなりませんでしたが、

関税法の改正で、輸出通関における保税搬入原則の見直しがあり、
商品が保税地域の倉庫へ搬入前に、輸出申告が行えるようになりました。

搬入前に輸出申告をすることで、税関での書類審査を
事前に終了させておき、
倉庫が搬入登録を行うと同時に、
即輸出許可が下りるシステムです。

これは、輸出の締切日の当日に、
倉庫に商品を持っていっても混雑していて、
いつ降ろしてもらえるか見通しがつかないなどで
船積みに間に合わないおそれがある場合に
輸出許可の時間を短縮するために、
利用すると役立ちますが、
注意点もあります。

搬入前輸出申告であっても、
商品の品名、ケ?スマ?ク、数量及び価格等が適正な内容で申告する必要があります。
万一、変更があった場合には、
変更理由を税関から説明を求められますので、
輸出許可が下りるのに時間を要してしまいます。

また、事前に輸出申告を行っても、
商品検査になった場合に
夕方遅くに商品が倉庫に搬入されますと
当日に商品検査を行えず、
締切日に輸出許可が間に合わなかった為、
結局、次船に延期しなければ
ならないこともありました。

輸出者様において、船積みを急いでいる緊急の場合に、
搬入前輸出申告を行うことができますが、
商品の明細が確実であることが前提ですので、
お早めに商品を保税地域の倉庫に搬入されることが
望ましいです。

2012年09月07日

海上コンテナの返却

こんにちは。
通関士の橋本挙裕(たつひろ)です

私は普段通関の仕事の他に、コンテナで輸入されてきた商品を、
お客様の所へお届けする為にトラックの手配にも関わっていますが、
コンテナから商品を出し終わりコンテナヤードへコンテナを返却しにいったところ、
「水洗い料金が掛ります」又は「修理が必要です」
と言われることがあります。


基本的にコンテナは船会社から借りている物であり、
商品を出し終えたら借りた時と同じ状態で、
返却するのがルールであるため、
コンテナヤードのゲートでは扉を開けて床が汚れていないか、
又はコンテナの中へ入り扉を完全に閉め、光が差さないかで
穴などの損傷がないか等チェックをし、
問題があれば、原状復帰する為の費用が発生することになります。


汚れの原因としては、コンテナ出しの作業の際、
床にフォークリフトのタイヤの痕が付いてしまうことがありますので、
その場合は、べニヤ板等を敷くなどの対応で作業をします。
また損傷についても、フォークリフトの操作ミスで
コンテナに穴を開けてしまうという可能性もあるので、
充分注意をして作業をします。


しかし、汚れや損傷というのは輸入地に到着してから
付いたものばかりかというと、そういうわけでもなく
到着した時にはすでに汚れ等が付いている場合があります。
これは輸出者様側での作業の際についた可能性もありますが、
もうひとつ考えられる理由で、輸出者様側が、
空コンテナを引き取った時点で、すでに汚れや損傷がある場合です。
もちろん、これは船会社の責任になりますが、
そのまま輸入地に到着しコンテナから商品を出し終え
返却に行けば当然ゲートで洗浄料等を請求される可能性があります。

そういう場合、輸入地の船会社に対して、作業で付いたものではないことや、
あるいは商品の種類、形状から見ても考えられない汚れであることを
コンテナの写真を見せるなどし事情を説明します。
万一、納得してもらえない場合費用を払わなければ、
返却出来ないことになります。

解決策としましては、輸出者様側の方で空コンテナを引き取ってきたときに、
中身を確認し、汚れ、損傷があれば、きれいなコンテナと交換して頂き、
出来なければ、輸出者様側の船会社から輸入者様側の船会社に
事前にコンテナの状態を連絡して頂くことが未然に防ぐ手段となります。