スタッフブログ

2012年8月

2012年08月31日

欄数を減らす「少額合算」について

 いつも弊社のブログをご覧頂き、ありがとうございます。
今週は通関の川本が通関料にも関係する「少額合算」について書かせて頂きます。
商品を輸出入する際には、商品の種類毎に税率番号(税番、HSコード)
と呼ばれる番号に分類(品目分類)し、税関に申告しなければならいない
事は、過去のブログでも何度か書かせていただきました。
(詳しくは、「輸出入貨物の商品分類について」
 そして分類された税番の数は「欄数」と呼ばれています。複数の種類の
商品を品目分類する際、税番が5つに分かれれば5欄となります。
この欄数により通関料が決定しています。

ところが分類された税番の数は必ずしも欄数と同じとは限りません。
貿易上、分類された各商品ごとの価格の合計(1欄の価格)が20万円以上
であれば「大額(品目)」、20万円以下を「少額(品目)」と呼んでいるの
ですが、異なる税番の20万円以下の少額品目同士は合算して一つの欄に
まとめる事が出来るのです。
例えば、課税価格合計が90万円のインボイスがあり、数種類ある商品を
品目分類した結果、3つの税番(3欄)に分かれたとします。

(例1)1欄目の商品 30万円
    2欄目の商品 30万円
    3欄目の商品 30万円
この場合、どの欄も20万円以上の大額ですので、合算することは出来ません。
つまり、この申告は3欄ということになります。

しかし、課税価格120万円のインボイスの場合で、
(例2)1欄目 100万円
    2欄目  10万円(少額)
    3欄目  10万円(少額)
となれば、2欄目と3欄目は少額品目ですので、欄数を一つにまとめる事が出来ます。
つまり、1欄目 100万円
    2欄目  20万円(少額合算)
となり、例2の場合は2欄として申告することができます。

少額合算という通関上の制度により、通関する商品の種類が多く、一見すると
通関料が膨大になってしまいそうでも、上記のように少ない欄数で申告できること
もあるのです。




2012年08月24日

書類の保存義務について

今週は林田が担当致します。

日頃皆様は書類の整理をどの様に行われておりますか?

私は最近、整理整頓を意識するようにしており、
かなりすっきりさせることができ、仕事の効率も上がった気がしております。

私共のような輸出入に関わる仕事は、書類がたくさん必要になってきます。

例えば輸入通関手続きに最低限必要な書類は、
B/L、アライバル、インボイス、パッキングリストになります。
商品資料なども加えますと、かなりの枚数になることもありますが、
これらの書類は、輸入手続きが完了した後も、
保存しておかなければなりません。

通関手続きにおいて、最も重要な事の一つは、
輸入の際に、国に治める税金を確定させることであり、
そのために上記の書類が必要になります。

逆にいいいますと、それは輸入者が国に定める税を確かに支払ったことを証明するものの一つとなります。

また、これらの書類を5年間保存することは、
輸入者の義務でもあります。

関税法にて、業として輸入する輸入申告者については、
下記のような帳簿、書類の保存が義務付けられております。


・帳簿(記載事項)
 品名、数量、価格、仕出人の氏名(名称)、輸入許可年月日、
許可番号を記載(必要事項が網羅されている既存帳簿、仕入書等に必要項目を追記したものでも可)
(帳簿につきましては7年間の保存義務)

・書類(書類の内容)
 輸入許可貨物の契約書、運賃明細書、保険料明細書、包装明細書、価格表、
製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類、その他輸入の許可を受けた貨物の課税標準を明らかにする書類


上記の書類を保存しなければならない理由としましては、
「事後調査」に対応するためと思われます。
事後調査とは、輸入者様の事業所等を税関職員が個別に訪問して、
輸入申告が法令の規定に従って、正しく行われ、
納税申告が適切に行われているかを調査することです。

書類を保存しておくことが、
適切な輸入を行っている証明にもなりますので、
普段から備えておくことが重要になっております。

2012年08月10日

【海外旅行、帰国時の税関手続きについて】

今週は西田が担当です。

今年の夏も暑いですね。
オリンピックの開催されているロンドンの最高気温は20度前後らしいので、
避暑を兼ねてオリンピックを観に行けたらなあと夢見ております。

さて、実際に夏の長期休暇を海外で過ごされる方もいらっしゃるかと思います。

海外に旅行に行きますと、まだまだ円高ですし、
お土産を買うのも、目的の一つになっていたりします。

ただし、旅先で購入したものは帰国の際、
税関で輸入手続きをしなければなりませんし、
個人用や贈答用でも免税の範囲を超えますと課税の対象となりますので、
旅行の前に、手続きの仕方や免税の範囲を確認し、
帰国の際に慌てないようにしましょう。

下記、税関のホームページに詳しい説明がのっておりますが、

一般的に個人用で手荷物の範囲であれば留意する点には、以下の事柄があります。

・海外でお土産等を購入した際の領収書やカード利用控えをとっておく

・入国(帰国)の際に携帯品・別送品申告書の記入・提出をする

・免税の範囲を確認しておく
 
 酒類      3本(1本760mlのもの)
 紙巻きたばこ  200本
 葉巻たばこ   50本
 その他のたばこ 250g
  香水      2オンス(1オンス 約28ml)
  その他の物   20万円(海外市価の合計)


・簡易税率を確認しておく
(関税がかかるもので、免税の範囲を超え、
 1個10万円を超えるもの、一部の食品等を除いて適用されます)

 ウイスキー及びブランデー  500円/リットル
 ラム、ジン、ウォッカ    400円/リットル
 リキュール、焼酎など    300円/リットル
 その他(ワイン、ビールなど)200円/リットル
 紙巻たばこ         11円/1本
 その他の品物        15%


上記の免税の範囲ですが、成人一人あたりについて適応されるもので、
例えば、未成年者に酒類やたばこの免税は適応されませし、
6歳未満の子供の場合、おもちゃなど明らかに
本人の使用と認められるもの以外は免税になりません。

補足ではありますが、手荷物に収まらず、郵便等で送られる場合には以下の点にも注意が必要です。

・必ず梱包の外装、税関告知書(郵便物の場合)、インボイス(商業送り状)などに
「別送品(Unaccompanied Baggage)」と明確に表示し、自分自身を名宛人として、受取場所を記入する。

・入国(帰国)後は別送品の申告はできませんので、別送品のある場合は、入国(帰国)時に忘れずに、携帯品・別送品申告書(2通)を記入・提出し、確認印を押して返される1通を荷物の到着案内が来るまで大切に保管する。
 (確認印の押された携帯品・別送品申告書は荷物到着時に別送品として、税関手続きをする際に必要。)

(その後の詳しい手続きについては→ http://www.kanzei.or.jp/refer/unaccom_bag.htm 
 公益法人 日本関税協会ホームページにわかりやすい手順があります。)

郵便等で旅行の際に購入したものを送った場合、帰国手続きの際には、手荷物の手続きに気を取られ、別送品の申告を忘れてしまいがちです。

しばらく経ってから、荷物の到着案内が来た時に、別送品の申告を忘れていた事に気づいても、通常の輸入手続きとなってしまい、免税や簡易税率の適応ができなくなってしまいますので、
特に注意しておく必要があります。

海外旅行をされる際には、帰国の際の税関手続きをよく確認しておくと、
最後の最後、税関手続きでつまづいてしまい、楽しい旅行の思い出が台無しになる事を防げると思います。
楽しい旅行に大切なのは、準備と知識ですね!

2012年08月03日

輸入品の販売は、国内規制にも注意しましょう!

こんにちは、共和商会の林です。

様々な輸入規制をクリアーし、やっと輸入許可の下りた製品、
いざ販売!と思ったら、またまた新たな難問が・・・

今回は、輸入品の販売に対する国内規制について、
少しお話ししたいと思います。

まず、ご留意いただきたいのは、
外国から輸入した製品を、日本国内で販売するということは、
日本国内で、日本のメーカーさんから、製品を仕入れて売る
単なる「販売業」とは異なり、
輸入者自身が、「メーカー」の立場も兼ねることになる、という点です。

これは、外国の製品を輸入販売する者には、
その製品をつくった者と同等の責任がある、
つまり、ある輸入品に、何らかの事故などが起きた場合、
その製品の輸入者には、消費者に対する損害賠償責任が生じる、
ということになります。

そのため、輸入者は、自身が、日本国内で売ろうとしている輸入品について、
日本国内のメーカーさんが製造・販売しているのと同等の義務が生じ、
その対応をしておかなければ、その製品を販売することは出来ないのです。

例えば、海外から食品を輸入する場合、
輸入者は、厚生労働省/検疫所に、所定様式の届出と共に、
成分や製法の分かる書面を別途提出するなど、
一定の手続きを踏み、それに合格した後、
税関に輸入申告し、何も問題が無ければ、輸入許可は下ります。

ただ、日本国内で、その製品を販売するには、
上記のように、日本で認められた成分や製法で、輸入許可が下りているとしても、
製品本体に、日本語で記載された、決められた様式の「食品表示」が必要となり、
それが無ければ、販売は出来ません。

具体的な対応としては、例えば、輸入菓子などに、よく貼られている
食品表示シールが挙げられます。

<参考:消費者庁 食品表示課>

また、家電製品の場合、食品に直接触れる製品(炊飯器など)以外は、
一般的に、輸入すること自体に規制は無く、
税関に輸入申告すれば、審査の上、輸入許可は下ります。

ただ、いざ日本で販売するとなると、
「電気用品安全法」
「家庭用品品質表示法」
「消費生活用製品安全法」
などなど、その製品の種類によって、様々な規制があり、
ものによっては、所定の手続きを経た上で、該当する検査を実施し、
さらに、その検査で問題が無かったことを証するマークが製品本体に付けないと
販売することが出来ません。

具体的には、例えば「電気用品安全法」では、
・「電気用品輸入事業届出書」を経済産業局長に提出
・経済産業省の定める規格基準に適合しているか検査を実施
・上記適合確認後、経済産業省が定めた表示(PSEマーク、事業者名、定格電流など)を付す
といったようになります。

<参考:電気用品安全法のページ>

ほかにも、衣料品は、一部を除けば、輸入すること自体に、規制が無いものの、
日本国内で販売するには、皆さん、よくご存じの
「洗濯マーク」を付けなければなりません。

<参考:消費者庁 洗濯の絵表示>

ちなみに、先日、下記の通りマスコミ報道されました
「洗濯マーク」を国際規格に変更する件は、
上記規制による輸出入の手間を減らそう、というものなんですね。


このように、輸入品によっては、無事、輸入許可が下りた後であっても、
日本国内で販売するまでに、まだ、しなければならないことがある場合があります。

輸入ビジネスをされる際は、輸入時の規制だけでなく、
国内での販売時の規制にも、充分注意するようにして下さいね。