スタッフブログ

2011年5月

2011年05月27日

輸出の留意点(キャッチオール規制について)

今回の担当は西田です。

前回(前回の私のブログはココをクリックして下さい)、
輸出の際、兵器やその関連汎用品について輸出貿易管理令の対象となり、
その可能性のある貨物は項目別対比表などを用いて、
メーカーさんなどに該非の判断をしてもらう必要があることをお伝え致しました。

その際、非該当であれば、「非該当証明」を発行してもらい、
通関手続きへと移ります。(該当であれば経済産業省の許可が必要です)
その「非該当証明」の内容は↓の通りです。

非該当証明の参考様式           

さて、これで輸出貿易管理令に関しては大丈夫だ!
っと思われたかもしれませんが、
実はまだ気に留めておかなければならない事があります。
それは「非該当証明」にある最後の一文
「輸出貿易管理令別表第1の16項には該当しております」という所にあります。
「輸出貿易管理令別表第1の16項」というのは「キャッチオール規制」※というものです。

「キャッチオール規制」とは、2001年の米国でのテロを受けて、
輸出令が一部改訂されて導入された2002年4月1日から発動となっている有事規制であり、
テロ防止を目的とするものです。

そのため「輸出貿易管理令別表第1の1から15項」の規制が
「兵器に使用されるか否か?」が問われる物であったのに対し
「キャッチオール規制」は「兵器製造に関わる可能性はないか?」が問われるもので
規制の対象範囲に違いがあります。

例えば、衣料品などを輸出する場合、それが兵器製造に関わるなんて、思われないかもしれません。
しかし「キャッチオール規制」は食料品や木材等の一部を除いたほとんど全てのものを対象としており、
もちろん、衣料品もその対象となるのです。

では対象となる場合、どうしたらいいのでしょうか?

この規制の要点は
「輸出しようとする貨物や提供しようとする技術が、なにであろうと、
実際に大量破壊兵器(核兵器等)、 通常兵器の開発等に用いられるおそれがある」という事です。
(「輸出貿易管理令別表第1の1から15項」の規制は貨物そのものが、軍事転用の可能性が特に高い機微な貨物である場合の規制です)
そこで、輸出者自身が責任をもって貨物の用途・需要者を確認し、
最終的に貨物を「誰が・どこで・どのように」使用するのかを把握しなければなりません。

万一、そのおそれがあると分かった場合には経済産業大臣の許可を得る必要があります。

特に実際の通関に則して申し上げると
仕向け地がホワイト国※以外で
特に「通常兵器補完的輸出規制の対象32品目」

に示された貨物について、前回にお伝えした「輸出貿易管理令別表第1の1から15項」の規制に加え、
「キャッチオール規制」についても、しっかりと該非の判定が行われているか確認を受けることがあります。
「通常兵器補完的輸出規制の対象32品目」はその他の規制対象貨物よりも、危険性が高いという事でしょう。

そのような場合、具体的にどのように該非を判定すればよいかと申しますと、以下の手順を参考にして下さい。

1.輸出する貨物がキャッチオール規制対象品かどうかを確認
(経済産業省ホームページ 安保管理 16項貨物・キャッチオール規制対象品目表

2.審査表を用いて、客観的に用途・需要者などを確認

客観用件明らかガイドライン(参考).doc

(より詳しくは経済産業省・安全保障貿易管理:http://www.meti.go.jp/policy/anpo/index.htmlなどでご確認下さい。)

また税関より該非判定の結果の審査表を提出を求められることもあります。

さて、前回に引き続き、輸出貿易管理令について、お話してきましたが、
近年ではインターネットの普及により、取引相手と顔も合わさずにを取引する場合があるかもしれません。
例えば、パソコンメーカーがオンラインで注文を受けて、新興国の顧客にパソコンを送る場合、
輸出貿易管理令の該非判定をしっかり行われなければなりません。

荷物の価格や大きさに関わらず、商品を輸出する場合には、たとえ国際郵便などを利用する場合でも
輸出管理令の対象になる可能性があるということを忘れないことが大切です。

※ ホワイト国とは[アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、
フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ニュージーランド、
ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、米国、韓国]の26ヵ国

参考ホームページ:経済産業省

2011年05月20日

関税改正における「シーリングの廃止」について

こんにちは、共和商会の林です。

さて、この4月より関税の改正が実施され、
中国からの輸入製品の一部が、特恵関税適用より除外されたことは、
弊社ブログなどでも、既にお伝えしております。

上記改正により、輸入関税がかかるようになったことで、
中国から仕入れている製品のコストアップにつながり、
その対応に追われている輸入者の方もおられることでしょう。

今回は、同じくこの関税改正により、
海外からの輸入製品のコストアップにつながるかもしれない
シーリングの廃止について、お話し致します。

まず、シーリングとは、限度枠の設けられた特恵関税制度で、
1年間(毎年4月1日から翌年3月31日まで)に、
決められた枠までは、特恵関税が適用でき、
それを超えると、通常の関税がかかる、というもの「でした」。

一部輸入者様においては、シーリングのカウントが始まる4月に、
該当製品を集中して輸入するなどの対応を取っておられたことと思います。

このシーリングが、この4月より、廃止となったのです。

シーリングは、日本独自の制度だったそうで、
国際的にみても、いまいち分かりにくいものであったことから、
より透明性を高めるため、このたび廃止されることになったようです。

ここで、皆さんもお気づきのことと思いますが、
上記シーリング廃止により、大半の製品について、
以前の限度枠内で適用された特恵関税率より、
1年中適用される特恵関税率の方が高くなってしまっております。
(一部、税率の変わっていないものもあります。)

<例>
        [シーリング廃止前]                [シーリング廃止後]
・傘   0.00% ※限度枠内特恵適用   3.44% ※通年特恵適用
        4.30% ※限度枠外   

たしかに、シーリングを考慮しないで、
4月に集中して輸入などせず、通年で該当製品を輸入しておられた方は、
製品によって、むしろ関税が下がることになるでしょう。

ただ、ここで注意しなければならないのは、
このシーリング廃止による特恵関税率の変動と、
先にお話ししております、中国からの一部輸入製品に対する特恵適用除外は、
重複するということです。

上の<例>に挙げた「傘」の場合、まさにそれに該当し、
以前は、シーリング限度枠内であれば、
特恵受益国のどの国から輸入しても関税ゼロであったのが、
この4月からは、中国からの輸入なら、通年で関税4.30%、
その他の特恵受益国であれば、特恵関税適用により、通年で関税3.44%
となるのです。

さらに、注意すべき点として、シーリング廃止を機に、
そもそも特恵関税適用の対象から、除外されてしまった製品があることです。
これは、中国からの輸入についてのみということではなく、
どの国から輸入しても、ということになります。

<例>
                          [シーリング廃止前]                 [シーリング廃止後]
・絹製のネクタイ      0.00% ※限度枠内特恵適用  13.40% ※特恵適用除外 
                          13.40% ※限度枠外

このように、シーリングの廃止によって、関税率が変わるのは、
個々の製品によって異なるのです。

なお、今回の関税改正で、以前は、特恵関税を適用して関税ゼロであった製品が、
特恵関税制度に関係なく、どこの国から輸入しても関税ゼロとなるものもあります。

<例>
                   [関税改正前]           [関税改正後]
・ブラジャー   0.00% ※特恵適用    0.00% ※基本税率 
                   8.50% ※基本税率

輸入しておられる製品が、上記該当品の場合は、
念のため、この4月からの関税率を確認されることをお勧め致します。

<参照>
■実行関税率表(2011年4月版) ※税関ホームページより
http://www.customs.go.jp/tariff/2011_4/index.htm
■シーリング関係(特恵) ※税関ホームページより
http://www.customs.go.jp/tokkei/index.htm
■平成23年度税制改正大綱(P127-P135) ※内閣府ホームページより
http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/2010/__icsFiles/afieldfile/2010/12/20/221216taikou.pdf


それでは、久々の謎かけを!

「関税改正」とかけまして、「大きなビルのエレベーター」と解く。

その心は・・・

上がるのも、下るのも、そのままのも、いろいろあるんです!?


<追記>
特別特恵受益国(LDC)からの輸入に対する特恵関税適用については、
変更されておりません。

■特恵適用国・地域一覧 ※税関ホームページより
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1504_jr.htm

2011年05月13日

インボイスの品名の表記について

今週のスタッフブログは、池田が担当します。

 今回は、インボイスの品名の表記について説明させていただきたいと思います。

 まず、通常の商取引で使うインボイスは、売主と買主の間で、
 売買契約を交わして作成しているので、
 品名の表記が、商品の品番やブランドネームだけでも、
 十分わかると思います。

 同時にインボイスは、輸出入申告をする書類としても使用しますので、
 税関への申告のことも考慮しますと、
 品名の表記で、商品の内容がわかるように
 作成する方が好ましいです。
 
 商品の品番やブランドネームだけを表記した
 インボイスを使用しますと、
 具体的に何に使うかが分からず、
 本来の商品の使用目的を把握するのが困難なので、
 どんな商品なのかを確認するために、
 お客様に質問するケースが出てきます。 
 
 その商品が、どんな使用目的で使うのか、
 どのような原材料が使われているか、
 などの
 内容を確認できるように、具体的な品名の表記を
 事前にして頂くことによって、
 私どもからお客様に質問をすることも少なくなり、
 お客様もメーカーなどの取引先にお問い合わせをする手間が省け、
 スムーズに行くと思います。

 具体的な例と致しまして、

 自転車の部品を輸出する場合に、部品も細かく商品分類されているので、
 BICYCLE PARTS とだけ、表記するのではなく、
 どのような部品なのか
 (例えば、ブレーキ、ハブ、サドル、ペダル、ディレーラ)を表記していただきますと、
 商品内容がわかりやすくなります。
 
 貨物によっては、インボイスの品名の表記だけでは、
 商品説明ができないケースがあります。
 その場合には、カタログなどの資料を添付して頂くと、
 より分かりやすくなりとても助かります。

 インボイスは、通関手続きにおいて
 重要な役割があります。
 そのため、誰が見てもわかるように表記をすることは、
 大切なことだと思います。
 
 これからも、気になることが見つかりましたら、
 書かせていただきたいと思います。