こんにちは。
通関士の橋本挙裕(たつひろ)です。
外国から到着した貨物は、国内の貨物とは全く性質が異なることから
手元に届くまでにはさまざまな手続きがあります。
手間暇もさることながら、その手続きのどれか一つが欠けても
手元に貨物が届かないリスクがありますので、
具体的にはどういうものがあるか説明したいと思います。
1.税関の手続き
税関へ輸入貨物に係る書類を提出し、輸入許可を受けなければなりません。
審査はさまざまあり、書類の審査だけで終わる場合もあれば、
貨物を倉庫から税関へ運び、書類内容と一致しているか確認をすることもあります。
また、X線を使った検査では箱を開けなくても中身が確認できるため、
申告貨物以外のものが入っていないか検査し、問題なければ、
関税、消費税を納付し、ようやく輸入許可をもらえます。
許可を受けないと貨物が引き取れないところは、国内貨物の引き取りと
大きく違う部分であり、一番重要になりますので常に正しい申告が必要です。
1.船会社の手続き
まず、輸出国側で船積みが終わると,B/L(BILL OF LADING:船荷証券)というものが発行され
輸入国側へ送られてきます。
B/Lが到着すると諸費用(運賃、倉庫の作業料、書類の発行料等)と一緒に
船会社へ提出し、D/O(DELIVERY ORDER:荷渡し指図書)というものと交換します。
そのD/Oと輸入許可書をセットにして倉庫に提出すれば貨物を引き取ることができます。
この一連の流れも船会社によって違いがあり、B/L及び諸費用の差し入れ、D/Oの交換
倉庫の搬出手続きが一か所で済む場合と、逆にそれぞれの手続きの場所がすべて違う
場合もあり時間的な差もでてくるので計画立てて動くことが必要です。
1.倉庫の手続き
外国から来た貨物を引き取る時は「いついつ引き取ります」と
事前に倉庫へ伝えなければなりません。
伝えていないと貨物を引き取れない可能性もでてくるので注意が必要です。
その方法は、電子メールでできる所は、受付を返信メールで確認できるので安心なのですが、
その昔はFAXだけだったので、こちら側が送ったつもりでいても
相手側にとどいていない可能性もあったため
FAXした後に電話で確認する作業がいり、手間がかかっていました。
1.運送業者の手続き
輸入貨物がコンテナ船で入港した場合、コンテナ(港で見かける大きな箱状のもの)
のまま引き取る場合と、他のお客様の貨物と一緒に入ってる場合は、中身を出してから
の引き取りの二通りがあります。
手続きとしては、コンテナのまま状態での引き取りの場合は、
輸送の依頼書にコンテナのサイズ、行き先、到着日など必要事項を記載して運送業者さんへ依頼します。
依頼書を書くとき、どの部分も重要ですが、
例えば、コンテナサイズは長さが20フィートと40フィートがあり、
サイズに合ったシャーシ(荷台)をトラックが引っ張り港に引き取りにいきます。
そこで誤ったサイズを伝えてしまうと、コンテナが積めなくなり
再度サイズにあったシャーシに付け替えなければならないといけないため、時間のロスにつながり、
お客様、運送業者さんに迷惑をお掛けするので、十分に気をつけなければなりません。
以上のように外国から届いた貨物を引き取るには、多くの手続きを
クリアーにしなければならないので、確実に貨物が引き取れるように、
まず何からこなしていけば良いか優先順位をつけ、また、自分がした手配等の確認は必ず行い、
常に正確な手続きができるように心がけています。
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是非一度、お試しください。
今週は通関の川本が予備申告制度について書かせていただきます。
輸出入者様が直接利用される制度ではないのですが、便利な制度ですので、
どのようなものか少しでも知っていただければと思います。
まず、通関を行なうにあたって、輸出申告、輸入申告の時期はどちらも、関税法第67条2により、
原則として、倉庫に貨物が搬入されてから税関に対して行なうこととされています。
しかし、輸入の場合でしたら、本船入港が遅れたり、倉庫での搬入作業が予定より遅くなると、
それまで申告ができませんので、ただ待っているだけの状態になってしまいます。
そして貨物搬入後に、申告を行ない、書類審査が行なわれるので、
許可されるまでに時間がかかり、貨物引取りが遅くなる場合があります。
予備申告制度では、貨物が倉庫に搬入する前に、書類の審査を事前に行なってもらえる制度で、
審査が終了していれば貨物が倉庫に搬入され次第すぐ、当該申告の許可がされるという流れになっています。
一般的に言われるメリットとしては、本来、貨物搬入後に行なわれる書類審査を先に済ませることができるので、
特にお急ぎの場合、許可、つまり貨物引取りまでの時間短縮が行なえるといえます。
ただ、いつも通関を担当させて頂いてる私の経験から思うメリットは、
単なる時間短縮だけでなく、事前に審査区分を知ることができる点です。
どういう事かと申しますと、輸出入申告を行なった場合、
コンピュータにより、自動的に3つの審査区分のどれかに分類されます。
区分1は即時許可、区分2は書類審査、区分3は貨物検査となっており、
書類審査は、許可まで数時間から半日、長ければ、半日以上かかる場合もあります。
審査区分が事前に分かるというメリットのポイントは、
あらかじめ、通常よりも早い段階で、さまざまな手配が可能だという事です。
検査の場合を例に挙げますと、例えば、貨物が全て搬入し終わった後で、検査と分かれば、
倉庫側も貨物を探したり用意する手間がかかってしまいます。
予備申告を利用し、搬入前に倉庫に検査の内容を伝えておけば、
あらかじめ、すぐに搬出できるように準備をしてもらえます。
また検査貨物を運搬してもらう業者にも検査の旨を連絡する必要がありますので、
事前に検査が分かっていれば、スムーズに貨物を検査場まで運搬してもらえます。
輸出の場合ですと、カット日と呼ばれる締め切りの日が設けられており、
船積みするためにはその日じゅうには輸出する貨物のすべてが倉庫に搬入し、
輸出許可がされていなければなりません。
しかし、貨物がカット日の夕方に搬入し、申告を行ったところ、
税関の執務時間ぎりぎりに書類審査になったこともありました。
書類審査でも税関からの確認事項や問題がなければ許可されるのですが、
もし貨物に関する確認事項が生じた場合、
許可まで時間がかかり、船積みに間に合わないケースも考えられます。
そのため、書類審査や検査により納期や船積みに影響がでそうな状況では、
予備申告制度を利用し、スムーズに通関できるように気をつけています。
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今週は林田が担当致します。
日本はあと二週間程で、ゴールデンウィークですね。
お休み前に仕事の整理が大変な方もいらっしゃるかもしれません。
仕事柄、取引国のお休みも意識するようにしています。
私の経験談ですが、中国の休暇中に出港した船の輸入を扱うことがありました。
休暇中ということで納期を遅めに設定していたので問題はありませんでしたが、
このお休みを忘れていたら、、、と考えるとゾッとします。
なぜなら休暇になりますと、通常届いているはずのB/Lが輸入者様に届かず、輸入申告ができません。
なぜ届かないかといいますと輸出者様自身が休暇に入り、連絡すら取れない状況になってしまうからです。
船は日本に入港しているのに輸入申告ができないため貨物の引き取りができないのです。
また休暇が長期の場合ですと、フリータイムが終わり、保管料等の問題が発生してくる可能性も考えられます。
ですので、そういった状況を避けるため、事前に輸出者様と綿密な打ち合わせをし、
輸出者様が休暇中であっても、B/Lが輸入者様に届くように手配していただくことが重要になります。
事前に休暇を意識していることが前提の対応となりますので、
常に取引国の休暇はチェックするようにしています。
諸外国の休暇は日本の休暇と違って、毎年期間や時期が変わることが多いようです。
ほんの一例ですが、中国ですと2月に春節祭(旧正月)と10月に国慶節(建国記念日)という大型の連休があります。
ベトナムでは1月中旬ぐらい?2月中旬の間にテト(旧正月)という連休がありますし、
タイでは4月にソンクラーン(水掛祭)という連休があります。
ヨーロッパやアメリカなどでは7?8月に一定期間サマーバケーションに入ることもありますし
12月中旬から年明けまでの期間はクリスマス休暇にもなっております。
地域によっては多少時期や期間が異なっているところもあるかもしれませんので、
予め確認をとっておいたほうがいいと思います。
ちなみにその他の国の公休日は下記の通りです。
http://www.jetro.go.jp/biznews/holiday/
(世界の祝祭日 - 世界のビジネスニュース(通商弘報) - ジェトロ)
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こんにちは、花牟礼(ハナムレ)です。 先日、初めて輸出に関わる機会がありました。
初めての輸出ということで何か注意しなければならないことを確認しましたところ、お客様は初めての輸出のため、自社倉庫ではコンテナ詰めできず、まず貨物を保税倉庫に移動してから輸出許可が下りた後にコンテナに詰めることになりました。
保税倉庫へ運ぶ前に詰めようとしている貨物の総容積を測り、また、コンテナの容積も考えるとすべての貨物をコンテナに詰めるのは難しいのではないかと思い、バンニングプランというものをたてることになりました。
詰めようとしている貨物がきちんとすきまなくコンテナに詰められるのか、コンテナや貨物の容積、貨物の個数を材料に縦なら何列、横なら何列詰めることができる、高さは何段まで積んでもいいかを表計算ソフトのエクセルを使って、コンテナの中を碁盤の目のように区切って貨物の詰め方をイメージするのです。
これが想像以上に複雑なものでまるでパズルをしているような感じでコンテナをすきまなく埋めていくのです。コンテナの中を想像しながら、貨物を縦にしたり、横にしたり、余ったスペースに寝かせたり…
このような計画をたてた結果、コンテナに詰める貨物をいくつか減らすことになりました。パソコンの画面上でコンテナや貨物の容積、詰めようとしている貨物の個数という数字だけを頼りにコンテナを埋めていくので、20,40フィートコンテナに何立方メートルまでだったら貨物が入るという数字だけ頭で覚えていても、実際コンテナに貨物を詰めるとなると、きっちりパズルのように組み合わせないと、少しでも空間が出来ますと積み残しが出ますし、また、貨物の形は四角とは限らず、丸かったり、細長かったりするものもあるので、限られたコンテナの空間をきっちり詰めるとなると頭を使うもので、非常に難しいものだなと感じました。
●「スタッフブログ」(輸出貨物のコンテナ扱いとは?)も御覧ください>>
●「よくある質問」(コンテナにはどれぐらい貨物が入るのでしょうか?)も御覧ください>>
こんにちは。今回は私、西田が担当です!
世界はどんどん身近になっておりますので、荷物を外国に送る場合も
ちょっとした郵便を送るかの様な感覚になってしまうかもしれません。
しかし、実際に、海外に荷物を送ろうとした時、受け付けてくれなかったり、
送った荷物が手元に戻ってきてしまう事があります。
そのような事がおきる原因の一つに輸出貿易管理令(輸出令)※の規制
に荷物が該当してしまった事が考えられます。
輸出令とは、簡単に言うと、兵器やその関連汎用品(輸出管理令第1条の別表第1に基づく)
について輸出の際に経済産業省の許可が必要だということです。
兵器というと、一般的には関係なさそうな気がしますが、
兵器関連汎用品の定義は広く、多くの産品がその範疇に入ってしまいます。
例えば、テレビも兵器関連のモニターになるかもしれないなどの理由で、
輸出令該当品目になり得るのです。
ではどんなテレビでも輸出する場合には経済産業省の許可を得なければならいのかというと、
そうではありません。
経済産業省のリスト規制に該当しない場合には、許可を得る必要はありません。
許可を得る必要はありませんが、通関の際に輸出令に「該当しない旨」を記した書類の提出を求められます。
それを「非該当証明」といい、多くの場合、メーカーさんや輸出者がリスト規制に該当するかどうかを確認し作成します。
具体的にどのような事を確認するかというと、テレビの場合の一例ですが、
輸出貿易管理令 別表第1 2-(13)に
「誘導炉、アーク炉若しくはプラズマ若しくは電子ビームを用いた溶解炉
又はこれらの付属装置」とあります。
誘導炉、アーク炉とは電気を利用した炉で、アークとは工場などで鉄を溶接する際に用いる
「バチッ」という白い光(放電)のことです。
これらの炉は原子力発電システムに用いられることがあり、
その一部にテレビモニターが付属する事があるそうです。
上記に該当する場合、より詳しい項目別対比表というもので、
原子力発電システムに利用できる炉であるか判別していかなければなりませんが、
耳慣れない言葉が並んでいることも多く、
専門的な知識がないと判断が難しい場合があります。
結果、メーカーさんが『リスト規制品目・技術』であるか否かの判定をし、
非該当証明書を作成する事が多くなります。
また、メーカさんによっては、ホームページ上で、非該当証明書を依頼する事が
できるようにしている場合もあります。
最後に非該当証明の参考様式が経済産業省のホームページに掲載されておりますので、
一度、ご確認いただければと思います。
非該当証明の参考様式(経済産業省のホームページ)
この様式の中に、「輸出貿易管理令別表第1の16項には該当しております」という表現があります。
これはキャッチオール規制というものには該当しているということですが、
このキャッチオール規制については長くなりそうですので、次回、お伝えしたいと思います。
輸出令に該当する可能性がある場合でも、商品の形状、材質等から非該当であることが明らかな場合、
非該当証明の提出を求められない場合もありますが、事前確認と準備は貿易の基本でありますので、
輸出をお考えの場合には、しっかりと準備する必要があると思います。
※ 「外国為替及び外国貿易法」に基づき、許可または承認を要する特定の貨物の輸出の範囲等を規定した政令。
1949 年(昭和 24)制定。
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