スタッフブログ

2011年1月

2011年01月28日

無償貨物の取扱いについて

今週のスタッフブログは、池田が担当します。

 今回は、無償貨物の取扱いについて説明させていただきたいと思います。

 無償貨物は、サンプル品などで、代金決済のないものの為、
品名や価格を記載する必要がないと思われる方がいるかもしれません。
しかし、無償貨物も課税対象になる為、税関に申告が必要ですので、
正しい品名、有償で取引する場合の価格を記載しなければなりませんので、
注意してください。(関税法施行令第59条の2)

 これについての私の体験談をお話しします。

 以前、輸入の税関検査でコンテナーに入ったある製品をX線で検査をしました所、
その製品以外のものが写っていたので、実際にコンテナーの中の貨物を調べたら、
奥の方から小さい箱が5個出てきて、それを開けてみると、
インボイスに記載されていない、カタログや付属品が入っていました。

お客様に理由を聞いたところ、サンプルとしての無償提供品だったので
書類に記載しなかったとの返事が返ってきました。

 先に書きましたように、
無償品も申告しなければなりませんので、5個の中身を全部数えてから、
数量と単価をインボイスに記載すると共に
なぜこのような事態になったかを、現地の取引相手様にご確認を行なって頂いた上で、
課税価格の訂正ですので、口頭ですぐに解決できる問題ではなく、
税関に経緯書で詳しく説明しなければなりません。

これらが終わった上で、修正申告を行なわなければなりませんので、

簡単には、輸入許可が下りませんでした。

 結局、この時は輸入許可を受けるまでに1週間近くかかりました。

 この時は、お客様はお急ぎだったのですが、わずか数千円の無償品を
インボイスに記載せずに申告漏れがあった為に、
何百万円の貨物の納期が大幅に遅れてしまうことになりました。
更には、輸入許可を受けるまでの貨物を保税地域に保管しなければならないため、
保管料という余分な費用までかかってしまいましたので、
非常に残念で仕方がありません。

ですので、このようなことが起こらないためにも、
インボイスには、申告するすべての品名、価格を正しく記載していただくよう、
よろしくお願いいたします。

 

「プロのアドバイス」(無償品なのに税金がかかるの?)も御覧ください>> 


 

2011年01月21日

通関士試験の勉強法

通関士の橋本挙裕です。

今回は、通関士試験の勉強法ということで、書かせて頂きます。

自分自身の経験ですが、家で勉強していると、どうしてもだらけてしまい
集中力に欠けてしまいがちになります。
そこで、自らを勉強する場所へ置くことが必要になってくるのですが、
例えば、私が利用したのが図書館です。まわりの人もがんばっていることにより
「自分も頑張らなければ」と気持も入り、集中力の持続効果は、かなり大きかったです。

さて、本題の勉強を始めるにあたって、出題傾向を知ることが大事になります。
試験はかなり広範囲にわたり、全部を覚えるには時間もなく、効率が悪いです。
過去に出題頻度の高い問題は、繰り返し出題される傾向があるので、
参考書である程度勉強したら、早めに過去問に取り掛かることをおすすめします。

次に、どの科目から手をつけるかですが、まずは通関士試験の中心となっているのが「関税法」で、
関税の確定、納付、徴収及び還付、貨物の輸出入についての法律です。

最初は聞き慣れない用語で全然できないかもしれませんが、
問題の頻度、重要性が図れれば十分だと思います。

そして、くりかえし問題を解いていくと経験的に理解できるようになり、 
例えば、これは税関長の「許可」なのか、「承認」が必要なのか、「届出」でいいのか、
といった引っかけ問題のようなものも自然と覚えられます。
そして、この法律が理解できれば「関税法」を補完している「関税定率法」「関税暫定措置法」「外為法」
の勉強にも入っていきやすいでしょう。

同時期に、「通関実務」も進める必要がありますが、
輸入申告書の作成には、関税、消費税の計算もあり、
端数処理の計算の手順をしっかり身につけることが大事で
一か所でも間違えると、その後の計算が全て間違ってしまうので、
繰り返し問題を解き、体で覚えてしまうことが必要です。

「通関業法」は、通関業や通関士について定められた法律です。
内容は比較的わかりやすく、初めての方もそれほど難しく感じないと思いますので、
一番最後でも十分間に合うでしょう。

ちなみに、私が使用した教材は、「過去問題集」「関税六法」「通関士試験の指針」
といったもので、特に「通関士試験の指針」は空欄記述式の穴埋め部分に
出題されそうな所を色違いにしてあり、よく参考にさせてもらいました。

これから勉強を始められる方は是非「絶対合格するんだ」という
強い気持ちをもってのぞんでいただきたいです。

2011年01月14日

原産地証明書がなくても、特恵関税が受けられる条件とは

こんにちは、

今週は通関を担当しております川本が

「特恵関税制度」について書かせていただきたいと思います。

以前にも過去のブログ内で「特恵関税制度」とはどのようなものか

説明させていただいておりますが、

もう一度簡単にご説明させていただきますと、

いわゆる「発展途上国(特恵受益国)」から輸入される商品が、

ある特定の商品で尚且つ、「原産地証明書(FORM A)」と呼ばれる

商品の原産国を証明する書類があれば、

通常よりも安い関税や無税で輸入できる制度のことを言います。

 

ただし、全ての商品が特恵関税で輸入できるわけではなく、

関税暫定措置法によって特恵関税を適用できる商品とできない商品に分類されているのです。

 

基本的には、輸入申告の際に原産地証明書を税関に提出しなければ

特恵関税を適用できないのですが、

税関に提出することなく、特恵関税で輸入できる商品があります。

それがどのような商品なのか説明させて頂きたいと思います。


関税暫定措置法施行令 第27条(原産地の証明)には、

(1)  税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品
(2)  課税価格の総額が20万円以下の物品
(3)  特例申告貨物である物品 

上記の3つの物品については、原産地証明書の提出を省略すると書かれているのですが、

ここでは、適用頻度の高い(1)、についてもう少し詳しく説明させていただきます。

 

まず、輸入される商品は輸入申告のために、

全て関税定率法の規則に則り、HSコードと呼ばれる番号に分類されます。

その分類されたHSコードが次の表

http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1505_jr.htm
に記載されていれば、「原産地が明らかであると認められた物品」に該当することになります。

つまり、お客様の輸入される商品をHSコードに分類させていただいた場合、

上記の表にその番号が記載されていれば、

「税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品」に該当し、

原産地証明書を提出せずに「特恵関税」を適用できるのです。

 

これらの特恵関税適用には条件があり、原産地証明書の提出を省略する代わりに、

インボイスや売買契約書などの書類で原産国を確認できなければなりません。

一般的には、インボイスに「MADE IN ○○(特恵受益国)」など、

原産国が確認できる記載の必要があります。

 

その他にも、特恵関税適用のためにはさまざまな条件があり、

「関税暫定措置法」や「関税暫定措置法施行令」の条項により定義されていますので、

実際にお客様が輸入される商品が特恵関税を適用できるかは

私どもで慎重にチェックしなければいけない制度なのです。

 

このように、お客様の輸入される商品が早い段階で上記の物品に該当することが分かれば、

書類の到着を待たずして、特恵関税で輸入できるかもしれないのです。

 

「スタッフブログ」(特恵関税制度が使えない!?)も御覧ください>>