スタッフブログ

2010年11月

2010年11月26日

食品衛生法について Part.2 (食品等輸入届出書の記入方法)

ご無沙汰しております。お待たせ致しました!やっと私、西田の番が回って来ました。
前回の予告どおり、今回は食品衛生法の対象になる貨物を輸入する場合の実務についてお話したいと思います。

初めに、食品衛生法の対象になる貨物については、安全確保の観点から輸入者に対して輸入届出の義務が科せられています。
食品衛生法第27条では「販売の用に供し、又は営業上使用する食品、添加物、器具又は容器包装を輸入しようとする者は、厚生労働省令の定めるところにより、そのつど厚生労働大臣に届け出なければならない。」と定められ、輸入届出を行わなければなりません。

こういった届出書類の記入や手続きは専門的で難しく思われるかもしれませんが、特別な資格等は必要ありませんので、決して個人で対応できないことはありません。
ただし、貨物が食品衛生法に基づく検査の対象になった場合やその後の通関等の手続きを考えると通関業者等にお任せ頂く方が、スムーズであるのが実情です。
その点を踏まえた上で手続きの内容をご確認頂ければ幸いに存じます。

食品衛生法の対象になる貨物を輸入する場合、貨物の船積み後、
食品等輸入届出書を所管の食品検疫所

http://www.forth.go.jp/04_quarantine/index.html(厚生労働省検疫所FORTHホームページ 全国の検疫所)                                                     に提出し、審査を受け合格しなければなりません。
また、食肉製品であれば、輸出国政府機関が発行した衛生証明書(Health Certificate) の添付が必要です。

(詳しくは 輸出入規制に注意!動物検疫☆をご参照下さい)

さて、まずは食品等輸入届出書を記入しなければなりません。食品等輸入届出書の様式は下記をご参照ください。

食品等輸入届出書 word版(

todokede.doc)

 あまり一般的に馴染みのない言葉が多いかもしれませんが、厚生労働省検疫所FORTHホームページにわかりやすい記入説明がございますので、ご参照下さい。
貨物の情報をしっかりと把握した上で届出を行う事が大切です。
http://www.forth.go.jp/keneki/naha/05jobs/download/sample.pdf
(厚生労働省検疫所FORTHホームページ 食品等輸入届出書の記載方法と記入例)

この中で保管倉庫や搬入年月日などはARRIVAL NOTICE(本船到着案内)に記載されている情報を基に記入することになります。
そのため届出は貨物到着搬入予定日の7日前より行うことができますが、               実際はARRIVAL NOTICEの入手後になります。
届出書を検疫所に提出する際には、食品であればその成分と製法がわかる書類、器具や玩具であれば、
用途や色がわかる写真や取扱説明書等を一緒に提出する必要があります。

下記に食品等輸入届出書を記入するのに必要にな書類をまとめてみます。

・B/L
・ARRIVAL NOTICE
・PACKING LIST(輸入する個数、梱包の形態、重さのわかるもの)
・食品の原材料のわかるもの(原材料、添加物等の記載されたもの)※
・食品の製造する過程がわかるもの(殺菌温度、時間等が記載されたもの)※
・器具、玩具の写真など形状、色のわかるもの 
・器具、玩具の取扱説明書など原材料、使用方法のわかるもの ※
・検査成績書(後述のPart 3をご覧ください)
・その他(各種衛生証明書等)

※原材料表などは製造者が作成したものが望ましいとされています。

特に注意頂きたいのは、食品添加物の原材料表示についてです。
例えば、揚げ物の原材料にパン粉が使用されているとします。
その原材料表での表記がパン粉?%だけでは、不十分です。
なぜなら、パン粉のもとになるパンの製造には、炭酸カルシウムなどの食品添加物が使用されていることが多いからです。食品の安全上、どのような添加物が使用されたいるか明示するのはとても大切なことです。

日本で製造された食品について製造者が責任を有するのと同じで、輸入食品等においては、
輸入者自らが食品の安全確保について一義的責任があり(食品安全基本法第8条)、
自らの責任において輸入食品等の安全性を確保するための情報収集等が必要となります。

Part 3に続く

参考資料

大阪検疫所 食品監視課 輸入食品監視等関連情報(http://www.forth.go.jp/keneki/osaka/syokuhin/kanren.html)  
厚生労働省 食品衛生法に基づく輸入手続きについて(http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1a.html) 
厚生労働省検疫所FORTHホームページ 食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令の実施について
(http://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/tsuuchi/meirei/10meirei1.htm)

2010年11月19日

輸入製品の納品を<少しだけ>早くする方法

こんにちは、共和商会の林です。

納期が迫っているのに、海外メーカーでの製造が遅れており、
ギリギリのスケジュールでの船積になりそう・・・

そんな時に、輸入製品の納品を<少しだけ>早くする方法について、
今回はお話ししたいと思います。

いずれの方法も、お金と手間がかかることにはなりますが、
いざという時のため、参考までに御覧ください。

(1)航空便に切り替える
  当たり前のことですが、納品は、断然早くなります。
  但し、お金がすごくかかります。
  ですので、本当に急ぐ製品だけを先に運んで、
  残りは、船便で積むようにすればよいでしょう。
  なお、数十キロ程度のものであれば、
  料金は、船便と大きく変わらないようです。
  
(2)ホットデリバリーサービスを利用する
  HOT DELIVERY SERVICE(HDS)とは、船が目的港に入港後、
  通常、コンテナであれば翌日以降、混載便であれば3日程度かかる
  貨物の引取りが、最速で可能となる有料サービスのことです。
  (もちろん、貨物引取りは輸入許可が下りてからとなります。)
  なお、このサービスは、必ず船積前に申し込んでおかねばなりません。
  また、残念ながら、全ての航路で用意されているサービスではありません。

(3)フェリー船を利用する
  旅客が載るフェリー船は、貨物だけを積んで運ぶコンテナ船と比較して、
  運航スケジュールが守られやすく、貨物の積み下ろしも素早いのが特徴です。
  但し、料金は、コンテナ船より割高となります。
  なお、フェリー船で、上記(2)HDSを利用すると、
  混載便であっても、入港日当日の貨物引取りが可能となることもあります。
  
(4)混載貨物を、あえてコンテナ貨物にしてしまう
  混載貨物は、複数の輸入者の貨物を一つのコンテナにまとめて一緒に運ぶため、
  貨物を引取れるのは、船が港に着いた後、コンテナを専用の倉庫まで運び、
  中身を全て出して、仕分けしてからとなり、入港後3日程度かかります。
  この時間ロスを省くため、貨物がある程度の量であれば、
  少々割高となっても、あえてコンテナ1本借り切って、船積みするのです。
  但し、この方法は、日本での納品がコンテナのままで対応できないと、
  結局、どこかで、コンテナの中身を出して、
  トラックに積み替えるなどの作業が必要となり、
  メリットが少なくなってしまいます。
  
(5)貨物を揚げる港を変えてしまう
  船を選ぶ際に、製品を納品する場所の最寄港に着く船ではなく、
  最も早く日本のいずれかの港に着く船を選び、  
  そこで、貨物を揚げてしまい、輸入通関してから、
  トラックなどを利用して、最短での納期を目指す方法です。
  日本国内での運送費を、いかに抑えるかがポイントになるでしょう。  


以上、思いつくままに挙げてみました。

これら以外にも、納品を早くする方法は、いろいろ考えられると思いますので、
また機会があれば、このブログに書いていきます。


それでは、懲りずに、いつもの「謎かけ」を・・・

「船積で納品を早くする方法」とかけまして「収穫前で忙しいイチゴ農家」と解く。

その心は・・・

つむ(積む・摘む)前の準備がいろいろ大変なんです!?

 

「プロのアドバイス」(航海日数に注意!)も御覧ください>>

「プロのアドバイス」(航海日数以外にも注意!)も御覧ください>>

「プロのアドバイス」(どこの港で揚げるか?)も御覧ください>>

「よくある質問」(輸入貨物は、船が入港してから何日後に受け取れるのでしょうか?)も御覧ください>>

 

2010年11月12日

保税蔵置場とは

今週のスタッフブログは、主に通関を担当している池田です。

まず、今回のテーマに行く前に保税地域について少し説明させていただきます。

保税地域とは、税関での輸入又は輸出の通関手続き(税関の許可を受ける手続き)を行うために、
貨物を一時的に保管する場所のことです。

日本では、保税地域は5種類に分かれています。

1) 指定保税地域
2) 保税蔵置場
3) 保税工場
4) 保税展示場
5) 総合保税地域

この中で、弊社が保税蔵置場を有しているということでありますので、これを今回のテーマにさせていただきたいと思います。

それでは、保税蔵置場においての輸入と輸出の流れを分けて説明いたします。

まず、貨物は、外国貨物と内国貨物に区別されています。

外国貨物とは、

(1)外国から日本に到着した貨物で輸入の許可を受ける前の貨物
(2)日本にある貨物で輸出の許可を受けた貨物

のことをいいます。

内国貨物とは、

(1)外国から日本に到着した貨物で輸入の許可を受けた貨物
(2)日本にある貨物で輸出の許可を受ける前の貨物

のことをいいます。

輸入の場合は、外国から港にコンテナ貨物船が入港し、そこで貨物を船からおろします。
この時の貨物は、まだ外国から日本に到着しただけの貨物ですので、これを外国貨物といいます。

外国貨物のままでは、貨物を勝手に動かすことはできません。
そこで保税運送承認(外国貨物のまま貨物で動かすことができる)という手続きを行うことによって、保税蔵置場に貨物を輸送することができます。

そして、保税蔵置場に貨物が到着し、数量等が間違いないことを確認してから、通関手続きをすることによって貨物の輸入を許可することができます。
外国貨物が輸入許可を受けることによって、貨物は、内国貨物になるのです。
 
内国貨物にすることによって、お客様の必要な所に貨物を送ることができます。

次に、輸出の場合は、まずお客様の所にある内国貨物を、保税蔵置場に発送していただき、輸入と同様に、通関手続きをすることで輸出の許可を受けて、貨物を外国貨物にします。
 
その外国貨物を、トラックやコンテナなどの手段で、保税運送することによって、保税蔵置場から港に貨物を輸送します。そしてコンテナ貨物船に、貨物を船積することによって、貨物を外国に送ることができます。

以上、保税蔵置場においての輸入と輸出の流れを分けて、簡単に説明いたしましたが、ここで、もうひとつ気をつけていただきことがあります。

それは、船会社指定の保税蔵置場(いわゆるCFS倉庫)は、基本的には、貨物を長期に渡って保管するところではありません。あくまでも輸出入手続きを行うために、一時的に保管するところであります。
そのため一定期間を過ぎますと、保管料が発生しています。

保管料の算出方法は、貨物の重量や容積(大きさ)によって変わってきますが、場合によっては、高額な金額になってしまう場合があり、せっかく取引で得る利益が少なくなってしまいますので、大変もったいないと思います。

そこで、弊社の保税蔵置場では、輸入許可を受けた大量の内国貨物を一度に引き取ることが困難なお客様の為に、輸入貨物を保管できる場所を提供し、お預かりできるように協力させていただいております。

また輸出の場合においては複数のメーカーの貨物をひとつにまとめて輸出をされる際に、ご利用いただいております。

それでは、これからもスムーズな貨物の出し入れをできるように努力していきますので、弊社の保税蔵置場をご利用していただければと思います。

 ● 「事例紹介」(輸出貨物に発生するトラブルを未然に防ぐ!)も御覧ください>>

 

2010年11月05日

通関士の資格試験について

こんにちは。通関士の橋本挙裕(たつひろ)です。

今回は、通関士試験についてお話しします。

まず、通関士試験は貿易業界で唯一の国家試験であり、年に一回10月に行われ12月に合格発表があります。

合格率は、2009年でいいますと、7.8%とかなり低い数字になっています。
過去には20%台の年もありましたが、合格率が下がった要因として出題形式の変化があるようです。
例えば、選択式で今までは、「正しいものを一つ選びなさい」というところが、
「正しいものをすべて選びなさい」というふうに変わり、より正しい知識を身につけていないといけないですし、回答時間にも時間を要してしまう点があげられます。

受験資格は、学歴、国籍、性別等について制限がありませんのでどなたでも受けることができます。
女性であれば、子育てが一段落し、職場に復帰される場合などに心強いものとして役立つのではないかと思います。


試験科目としましては、
 1、通関業法(通関業を営むものについてその業務の規制、通関士の設置等を定めた法律です。この部分は、よく出題されています。)

 1、関税法、関税定率法その他関税に関する法律および外国為替及び外国貿易法
(関税法は、関税の確定、納付、徴収及び、貨物の輸出入についての税関手続きについての法律です。そして関税定率法は関税の税率、課税標準の決定などが定めれている法律です。試験の中でも非常に範囲が広く、勉強にも一番時間をとりました。)
        
 1、通関書類の作成要領その他通関手続の実務
(通関書類の作成は、商品を品目ごとに分類、関税、消費税の計算など普段の業務で行うことなので、数多く問題をこなし、慣れることが大事です。)
以上の3科目になり、かなりの広範囲にわたるので幅広い知識が必要になってきます。


通関士試験は3科目それぞれが合格ラインをクリアしなければならず、
(通常の合格ラインは60%ですがその年によっては、調整のため多少変動します)
たとえ、3科目の平均で合格ラインを越えても1科目でも合格ラインを越えないと不合格になります。
また、例えば通関業法はクリアしましたが、他の2科目が合格ラインに届かず不合格になった場合
次回のときに、通関業法の試験が免除になるかというと、そうもいかないわけで、一回の試験で全科目が合格ラインをクリアすることが必要になります。


ただ、通関業務に携わった期間が5年以上で通関書類の作成の科目が免除されさらに15年以上になりますと、関税法、関税定率法の科目も免除され、かなり優遇される制度もあります。

ちなみに、通関業務とは、大まかに言いますと、輸出入者のためにする通関手続きの代理、代行及び通関書類の作成がそれにあたります。


通関士は、貿易業界になくてはならない存在であるので、興味をもたれた方は一度チャレンジしてみてはいかがで しょう。